ホタルの里 有志が再生/東北町

多くのホタルが飛び交い、幻想的な雰囲気をつくり出す東北町萠出地区のホタルの里(同町提供、2018年撮影)

 多い日には500匹ほどのホタルが見られる場所として話題となっている青森県東北町萠出(もだし)地区で、今年も14日に観賞会が開かれる。町内外の有志が4年前に愛好会をつくり、ホタルの幼虫のエサとなるカワニナを放流するなど環境づくりに努めた結果、生息数が増え、多くの人が訪れるスポットへと成長した。会員は「ホタルを見た子供たちが、親になった時にまた見に来られるよう、長く残していきたい」と意気込む。

 同町東部に位置する萠出地区の「ホタルの里」は、丘陵に囲まれた自然豊かな場所にある。東北ホタル愛好会代表の農業萠出定美さん(64)所有の水田が広がり、例年8月半ばごろまでゲンジボタルとヘイケボタルが飛び交う。特に現れるのは、水田と山林の境を流れる水路付近で、今年も7月1日から姿を見せ始めた。

 会員の一人で全農県本部に勤める久保田雅弘さん(58)は「時には20メートル近い高さまでホタルが飛んでいく。乱舞する様子は幻想的。感動する」と魅力を語る。

 以前はちらほらと見られる程度だったというが、「自分たちが子供のころ見たホタルを、地域の子供たちにも」との思いから、7年ほど前、萠出代表らが里づくりに乗り出した。

 4年前には、萠出代表らの取り組みに賛同する有志が集まり愛好会を結成した。会員は萠出地区の住民だけでなく、森林組合関係者や元教員、保育園園長などさまざま。それぞれで集めてきたカワニナを要所要所に放したり、訪れた人が歩きやすいようあぜ道の幅を広げたりと、会員は手弁当で整備を続けてきた。

 シーズン中は毎晩交代でホタルの数をチェック。観賞会の日以外にも、地元の保育園児や保護者を案内する日などを設け、多くの人に見てもらうようにしている。昨年春には「ホタルだけでなく、自然エネルギーの仕組みも学んでもらおう」と水車小屋も建てた。「子供たちの歓声と喜ぶ顔がやりがいにつながっている」と萠出代表は話す。

 萠出地区のホタルを町の新たな魅力ととらえ、観光に生かす動きも出ている。

 同町上笹橋の「東北温泉」(沢田襛社長)は、宿泊者からリクエストがあった場合、観賞に連れていくサービスを行っている。「私から宿泊者にホタルのことを伝え、希望を聞いている。東京など都会の人々は本当に感激してくれる」と沢田社長。好評だったことを受け、今年も実施するという。

 14日の観賞会は午後7時から同8時半ごろまで。これに先駆け、丸太切り競争や火おこし体験などのイベントも行う。萠出代表は「今年はカワニナがよく食べられている。たくさんのホタルが見られるのではないか」と期待している。問い合わせは同愛好会(電話090-1490-4692)へ。

ホタル観賞会の会場となる水田をバックに立つ萠出代表(右)と久保田さん

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