飛躍の一年願い 干支こけし、ぐい飲み制作/黒石

来年の干支・辰をかたどった干支こけしの制作に励む阿保さん

 青森県黒石市の津軽こけし館と津軽烏城焼「三筋工房」が、来年の干支(えと)「辰(たつ)」をかたどった作品の制作を行っている。関係者は「2024年は昇り竜のように飛躍の一年になれば」「家族とお酒を酌み交わし、いい年越しにして」と願っている。

津軽こけし館 親子こけし

 黒石市の津軽こけし館では、津軽系こけし工人・阿保正文さん(40)が来る年に思いを込めながら、辰のこけし制作に励んでいる。

 阿保さんは干支こけしを作り始めて18年目。今回は長く飾ってもらいたい-と、12年前の前回よりも色あせしにくいよう気を配ったという。胴を細長くし、竜らしく見えるようにした一方、表情はかわいらしく和むように仕上げた。

 今月に入り制作が本格化。同館の工房で、ろくろで材料を削り、一つ一つ丁寧に色付け作業を進めている。阿保さんは「上昇するイメージがある昇り竜。景気、運気が上がりますように」と話している。

 こけしは長さ10センチ、幅5.5センチ、高さ5センチの親と長さ8センチ、幅4.5センチ、高さ4センチの子のペアと台座、立て札、箱がセットで3300円(税込み)。引き渡しの時期は注文の際に知らせるという。注文・問い合わせは同館(電話0172-54-8181)へ。

津軽烏城焼 「三筋工房」 ぐい飲み

 黒石市の津軽烏城焼「三筋工房」では、辰のぐい飲み約200点が焼き上がり、10日窯出しを行った。11日からの窯出し市で限定30個販売する。

 ぐい飲みは窯元の今井理桂(りけい)さん(75)の次男・瑩典(えいてん)さん(35)が中心となって制作。平均的なサイズは直径約7センチ、高さ約6センチで、側面に角や口、耳、ひげなどをデザインし、かわいらしく仕上げた。

 烏城焼はアカマツを燃やした灰が溶け、器の表面に流れる「自然釉」が特徴。今回は世界最長の登り窯ではなく、長さ約15メートルの穴窯で10月29日~11月3日、焼き上げた。

 10日は窯出し後に水で洗ってやすりで磨き、水漏れがないか確認。瑩典さんは「これまでで一番細かく、一つ一つ表情が違う。このぐい飲みで家族とお酒を飲んで、いい年越しをしてほしい」と話した。

 ぐい飲みは一つ5500円(税込み)。窯出し市の開催時間は午前10時~午後5時。売り切れの場合は予約を受け付ける。

来年の干支・辰をかたどった干支こけし

辰をかたどったぐい飲みを窯から出す理桂さん

来年の干支・辰をかたどったぐい飲み


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