こけしで縄文文化PR、黒石の阿保さん制作

縄文をモチーフに制作した「縄文津軽こけし」。左2体が男性風、右2体が女性風

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録が間近に迫る中、青森県黒石市の津軽系こけし工人・阿保六知秀(むちひで)さん(71)が、青森県の縄文文化をPRしようと「縄文津軽こけし」を制作した。

 同市の津軽こけし館によると、津軽系の体に描かれる独特な柄の「アイヌ模様」は、縄文土器などの文様と似ている部分があり、縄文時代から受け継がれてきた柄をこけしに取り入れた-という説があるという。縄文文化とこけしにこうした縁があることから、今回の制作に至った。

 縄文津軽こけしは、おでこの部分にゴーグルのように描いた遮光器土偶風の目が一番の特徴。青森県らしさを出すため、頭の形はかわいらしいリンゴ形とした。胴体には津軽系でよく描かれるボタンの花と、「縄文柄」により近い感じに仕上げたというアイヌ模様があしらわれている。

 木地にもこだわり、黒基調の男性風は木目の色が濃く、茶色のサクラの木、赤基調の女性風は木肌が白いイタヤカエデを使用した。24日、同館で制作に当たった阿保さんは「縄文津軽こけしが、縄文のロマンに触れるきっかけになってくれれば」と話した。

 津軽こけし館で販売しているほか、同館ホームページでも注文を受け付けている。問い合わせは同館(電話0172-54-8181)へ。

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