野辺地・常夜燈市場で19日「初夏の宴」

市場内で「初夏の宴」併催イベントのポスターを手にする町観光協会の職員ら

 今秋で開業から丸4年となる青森県野辺地町の産直施設「のへじ活(い)き活き常夜燈市場」。活ホタテや葉つきこかぶなど町の名産をそろえ、売り上げは年々伸びているが、スペースの狭さに不満の声が出るなど課題も少なくない。新型コロナウイルスの影響で本年度の売り上げが伸び悩む中、同市場は19日に町内の商業者や音楽グループと協力して「初夏の宴(うたげ)」イベントを開き、てこ入れを図る。

 常夜燈市場は町内の事業所や個人が会員となり、取れたての野菜や海産物、加工品などを出品・販売している。2019年度には新たな特色づくりとして、野辺地川で取れるシロウオの試験販売も開始。施設の認知度は徐々に高まっており、同年度は4万3千人余りの来場があった。

 しかし、床面積が約100平方メートルと狭く、休憩や飲食をするスペースもないため、利用者からは改善を求める声が聞かれる。横浜町の60代の男性は「規模が中途半端。それに駐車場が砂利なので入りづらい。“伸びしろ”のある施設だと思うのだが…」とこぼす。

 市場の利便性については6月の野辺地町議会でも取り上げられ、議員から「設備の増設など、サービス向上策を考えるべきだ」との注文が出た。

 同町は近隣自治体のような「道の駅」を持たないため、観光客が気軽に立ち寄れる産直施設に乏しい。それだけに市場に寄せる期待は大きいものがある。

 4月から運営協議会の理事長を務める江刺家和夫副町長は「青森市から下北方面へ向かうルート上に立地しているので、ニーズはあると思っている。限られた規模の施設だが、良くするための工夫をしていきたい。将来的にはハード面の拡張も考えたい」と話す。

 常夜燈市場は19年度まで3年連続で年間3千万円台の売り上げをキープしてきた。しかし、本年度はコロナ禍で大型連休中の休業を余儀なくされるなど苦しい状況。19日の「初夏の宴」は、4月以降では初の本格的なイベントとなるだけに、江刺家副町長は「宴を皮切りに徐々に集客を回復させたい」と期待する。

 当日は各商品を安価で提供し産直の魅力をアピールするほか、併催イベントとして町内外の団体が屋外にテントを張り、ご当地グルメなどを販売する。さらに同町や青森市、十和田市のバンドが出演する「常夜燈ROCK」も開かれ、「宴」を盛り上げる予定だ。

 常夜燈ROCKの主催者代表である斉藤朗さん(60)は「コロナで沈んでいる町の空気を吹き飛ばしたい。市場の売り上げにもつながれば」と意気込む。

 初夏の宴は午前9時~午後5時。来場者にはマスク着用などを求め、感染症予防を図る。問い合わせは町観光協会(電話0175-64-9555)へ。

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のへじ活き活き常夜燈市場 野辺地町の観光スポットである常夜燈公園隣に2016年10月オープン。木造平屋の建物で、国の地方創生加速化交付金約1700万円を活用し、町が整備した。地元特産品のPRや地域経済振興を目的とし、町観光協会や町商工会、町漁協、ゆうき青森農協でつくる「朝市活性化協議会」が運営している。19年度の売上高は3650万円余。

野辺地漁港近くに立地する産直施設「のへじ活き活き常夜燈市場」

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