弘大地域戦略研が温泉水トラフグ養殖研究

湯の沢温泉の温泉水を使って養殖しているトラフグ=青森市の弘前大学地域戦略研究所

 弘前大学地域戦略研究所(青森市)の研究グループは2017年度から、県内の温泉水を使ったトラフグの陸上養殖の研究に取り組んでいる。これまでの研究では、海水の2分の1程度の塩分で、水温約20度で順調に育つことを確かめた。海以外の場所で育てる陸上養殖は、無毒のフグを育てられる可能性があるため今後、実用化に向けてさらに研究を進める方針。

 研究は、同研究所地球熱利用総合工学研究室の井岡聖一郎教授と若狭幸助教が実施。17年度は、研究協力を得られた外ケ浜町の「湯の沢温泉」と中泊町の「竜泊温泉」の泉質を調査し、両温泉水ともナトリウムと塩化物が主要な成分であることを確かめた。

 18年度は両温泉水を使いトラフグの稚魚の養殖を開始。19年度は水温や塩分濃度など成育環境を変えるなどして実験を繰り返した。

 その結果、湯の沢温泉の湯は、塩分量的にもそのまま養殖に使えることが分かり、竜泊温泉の湯は、塩分が少ないため、海水を加え、塩分濃度を上げることで、成育することが明らかになった。

 今後は、他の温泉水での成育状況を研究し、環境によって、食味に差が出るかどうか調べる。

 フグの毒は海で食べる貝や海藻がもとになるとされ、温泉水育ちのフグは、無毒で安心だとの見方がある。また、陸上養殖は水質を管理しやすいという利点もある。

 井岡教授は「青森県は、全国でも温泉が多い県。この豊富な資源を有効に使い、陸上養殖につなげられないかと考えている」と意欲を語り、「県内温泉の泉質データベースを作成して、泉質からどのような陸上養殖が実現可能か評価できるシステムを構築したい」と話した。

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