鳥瞰図の世界を堪能 「吉田初三郎の魅力」展/八戸

先月発売された著書を手に、吉田初三郎の鳥瞰図や肉筆掛け軸などを説明する小倉館長

 青森県八戸市の八戸クリニック街かどミュージアム(小倉学館長)は、秋期展「鳥瞰(ちょうかん)図絵師 吉田初三郎の魅力」を開いている。同市にゆかりのある吉田初三郎(1884~1955年)の没後70年を記念し、6年ぶりに初三郎作品のみ紹介する展覧会を企画。同館所蔵の各地の旅行案内鳥瞰図、肉筆画、手紙など74点に加え、初めて同館が研究などで使用している約4200点の画像データを公開中で、初三郎の鳥瞰図の世界を細部まで楽しむことができる。24日まで。

 初三郎は京都府出身。大正から昭和にかけ、独自の大胆なデフォルメで国内外の鳥瞰図を描き、人気を博した。同展では、北海道・東北から九州までの名所や主要都市、鉄道路線を描いた鳥瞰図を数多く紹介。戦後80年に関連し、初三郎が原爆投下後の長崎への思いを直筆でつづった長崎の鳥瞰図も特別公開している。

 初三郎とは直接関係はないものの、今春ドイツの古書店で見つかった、1939(昭和14)年にドイツから八戸市を訪れた人物が撮影したとみられる当時の日東化学工業八戸工場や同市内の写真を展示している。

 小倉館長は先月、初三郎の独創性や画法などを紹介した著書「鳥瞰図絵師 吉田初三郎の世界」(昭文社)を刊行した。展示と併せて見ることで「初三郎の全体像や素顔に触れてほしい」と述べた。

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