春呼ぶ摺り力強く 「八戸えんぶり」開幕

県南地方に春を呼ぶ国重要無形民俗文化財の「八戸えんぶり」が八戸市で開幕。初日は中心街で全えんぶり組が一斉に舞う「一斉摺り」などを行い、豊年満作を祈願した=17日午前、同市三日町

 800年以上の歴史を持ち、県南地方に春の訪れを告げる「八戸えんぶり」が17日開幕した。初日は市中心街で、34組の全えんぶり組が参加する「一斉摺(ず)り」を行い、豊年満作を祈った。同日朝の長者山新羅神社では、八太郎えんぶり組を先頭に摺りを奉納。その後、中心街に移動して一斉摺りが始まると、太夫らは力強い摺りを、子どもたちは色鮮やかな衣装で祝福芸を演じた。会期は20日まで。18日は史跡根城の広場などで公演を行う。

▼「卒業」の舞 家族と仲間と
 17日に開幕した「八戸えんぶり」で、「一番札」を手に長者山新羅神社で最初に摺(す)りを奉納した八太郎えんぶり組の三上空斗(そらと)さん(18)=八戸北高3年=は特別な思いでこの日を迎えた。根っからのえんぶり好きだが、今春から県外へ進学するため、来年以降の参加が難しいという。えんぶりを“卒業”する寂しさを抱えつつ「魅力を広めたい」と、同組で活動をともにする幼なじみらと会期最終日の20日まで全力で演じ、楽しむつもりだ。

 三上さんは家族5人全員が同組に所属し、父の統(おさむ)さん(52)は2番親方、母の文恵さん(45)が笛などを担当。小学生の弟と妹が祝福芸の舞い手となっている。空斗さんは4歳から同組に入り、小学校までに松の舞と恵比寿舞などを、同市の北稜中ではえんぶりクラブで太夫を経験。高校入学後は再び同組で太夫や祝福芸の舞い手、おはやしの太鼓などを担当し、率先してえんぶりの普及や魅力発信に努めてきた。

 同組には7人の高3生がいる。このうち高1から活動する大江琉聖(りゅうせい)さん、野上瑞貴さん=ともに八工大一高3年=と空斗さん、そして今年から加わった尾㟢光翼(つばさ)さん=同、安田大海(ひろみ)さん=八戸北高3年=はいずれも北稜中でえんぶりを経験した、気心知れた幼なじみ同士。高校卒業記念に-と空斗さんが一番札獲得を提案し、10日午前に同神社へ一番乗り。高3生が交代で車中泊をして17日を迎えた。

 同市三日町の「はっち」付近で行った一斉摺(ず)りで、空斗さんは大黒舞とおはやしの太鼓を担当。大勢の観客を前に、統さんの唄と文恵さんの笛に合わせ、軽やかにばちを振るい、舞を披露した。「えんぶりは『さみ(寒)いなー』と言いながらやるのが好き。組によっておはやしや摺り、舞が違うところに学びがある」と空斗さんは熱く語る。一方で、少子高齢化により伝統芸能を担う若手が減っていることに危機感を抱く。「僕たちを見て、若い人がえんぶりに興味を持ってもらえたら」。来年以降は大江さんらが同組に残り、空斗さんの思いを引き継ぐという。

行列で太鼓をたたく空斗さんと笛を吹く文恵さん=三日町

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