多くの花見客でにぎわう弘前公園=26日午前、弘前市

 大型連休がスタートした26日、青森県内の行楽地は初日から家族連れでにぎわいを見せた。物価高が続く今回は、費用がかかる遠出を避け、近場で済ませる人が多くなりそう。晴れたり雨が降ったりと不安定な天気に見舞われる中、各地で子どもたちの笑顔が広がった。

 弘前さくらまつり会期中で桜の見ごろが続く弘前市の弘前公園には、国内外から詰めかけた多くの観光客で混み合った。秋田県由利本荘市から訪れた会社員工藤竜也さん(51)は「弘前の桜は別格。一生に一度は見てみたいと思っていた」と感激していた。昼過ぎには一時、強い雨が降り、公園でねぷた運行を予定していた弘前ねぷた参加団体協議会(石川峰嗣会長)はスタート直前で取りやめ。石川会長は「残念。夏のねぷたまつり本番を見に来てほしい」と語った。

 「青森春まつり」が開かれている青森市の合浦公園は、午前9時の時点で公園入り口前に長い車列ができた。職場の仲間と花見に来た同市の千葉敏彦さん(64)は「連休中は仕事があるけれども、休める日はゆっくり過ごしたい」。

 八戸市の八戸公園では子どもたちが遊具や出店周辺を散策し、広場を走り回っていた。公園内の遊園地「こどもの国」で、ほとんどの遊具を楽しんだという西白山台小6年・間山大道さん(11)は「サイクルモノレールから間近に見た桜がきれいだった」と笑顔。散り始めた桜による「花びらの雨」も目を引き、カメラを手に写真を撮る人の姿も目立った。

 むつ市の水源池公園では、下北の春を彩る桜をめでる家族連れの姿が多かった。公園周辺の展望台「北の防人(さきもり)大湊 海望館」では観光客が眼下に広がる芦崎湾の眺望を楽しんだ。六戸町から家族で訪れた附田毬子さん(64)は「上から見る景色もきれい」と喜んだ。

 五所川原市金木町の太宰治記念館「斜陽館」も盛況。建物の前で記念撮影したり、展示品をじっくり眺めたりする人の姿が見られた。出張の合間に訪れた高知市の医師矢野有佳里さん(43)は、斜陽館の豪華な造りに感動した様子だった。今のところ個人的な旅行は予定していないが、円安もあって「旅行するなら国内。安心だし気軽に行きやすい」と述べた。

 同館によると、初日の人出はほぼ昨年並み。近場の東北よりも、九州や四国など遠方からの観光客の方が多い。例年、観光客は市中心部の観光施設「立佞武多(たちねぷた)の館」を見学してから金木を訪れるような流れになっているが、今年は休館中で、連休中の人出への影響は見通せないという。

 駅や空港も乗客で混雑。青森市のJR新青森駅でも帰省客であふれた。大型連休は毎年、同市の祖父母宅で過ごすという栃木県の伊藤しおりさん(32)は「桜の花が咲いているのに間に合ったようなので、楽しみ」と声を弾ませた。

満開の桜の下、大勢の花見客でにぎわう合浦公園=青森市

JR新青森駅の改札口で親族を見つけ、ほっとした表情を見せる帰省客=青森市

「こどもの国」でジェットコースターを楽しむ八戸公園の来場客ら=八戸市

展望台「海望館」から桜と海上自衛隊艦艇や芦崎湾の共演を楽しむ家族連れ=むつ市

斜陽館の中に展示されている小説を読んだり、資料映像を見たりしている観光客=五所川原市金木町





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