斜陽館の米蔵。22日夜には太宰作品に登場するお酒などを提供する酒場に変わる

 楽しみは読むだけじゃない-。作家・太宰治生誕110年を記念した「フェスティバル」が22、23日、青森県五所川原市金木町にある生家「斜陽館」を中心に開かれる。アート、食べ物、お酒などを切り口に、いずれも太宰を感じながら楽しめる趣向が凝らされている。

 会場は斜陽館と津軽三味線会館駐車場。斜陽館では朗読会やお茶会を開催、駐車場にはステージを設け、ダンスショーや三味線演奏などを繰り広げる。22日午前9時半からは、同ステージで開会式が開かれる。三味線会館では同日午後から「太宰文学映画祭」を開く。

 イベントの中で注目を浴びているのが22日午後6時から午前0時まで、斜陽館の米蔵で開かれる「太宰ナイト」。イベント中は米蔵が雰囲気たっぷりの酒場に変わる。提供されるのは太宰作品「人間失格」「酒の追憶」に登場する銘柄のアブサン、ウイスキー、ワインなど。

 地元の五所川原エフエムが同日午後6時から同8時まで、会場から特別番組を生放送。番組終了後も、DJの進行で1960~70年代の曲を中心に流し、大人がゆったりとお酒を楽しむ雰囲気を醸し出す。

 同日夜は斜陽館をライトアップするほか、太宰や作品をイメージしたランタンに市民が色付けし、館内に飾る。館内で開かれるお茶会(有料)では、地元菓子店が考案した限定和菓子を提供する。

 津軽鉄道は太宰ナイトや映画祭を楽しんだ来場者のために、金木駅を23日午前0時半発の臨時列車を運行する。臨時駐車場を設けた芦野公園や金木公民館などと会場を結ぶ巡回バスも運行する。

 イベントを担当する五所川原市観光物産課の須藤安奈さん(29)は「フェスティバルは太宰ファンも、そうでない人も新たな太宰の魅力を知ることができるいい機会になるのでは」とPRする。

テストで斜陽館に飾られたランタン。22日夜には市民が色付けしたランタンが彩る(五所川原市観光物産課提供)

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