大雨被害の竜泊ライン 通行止め解除

通行再開となった竜泊ライン。のり面が崩落した場所は片側交互通行となっている=21日午後3時10分、中泊町

 8月の大雨被害を受け、11キロにわたり全面通行止めが続いていた青森県中泊町中小泊山国有林-外ケ浜町三厩龍浜の国道339号は21日、規制が解除された。同区間を含む「竜泊ライン」は津軽半島を回遊する観光客に人気が高く、観光関係者は復旧を喜び、紅葉シーズンに向け期待を寄せている。

 同ラインは大雨により複数箇所でのり面が崩壊。土砂が道路に流入し、8月10日から全面通行止めとなっていた。県は土砂を取り除き、土のうを設置するなど応急処置を施し、区間内の数カ所を片側通行とした上で通行を再開させた。

 21日は県外ナンバーの車やバイクが次々走行し、同ライン沿いの日本海を一望できる展望台「眺瞰台(ちょうかんだい)」や景勝地「七ツ滝」で写真を撮る人も見られた。バイクで訪れた茨城県の団体職員中島泰弘さん(52)は「ガイドブックを見て竜泊ラインを通ってみたいと思っていたので開通はうれしい。景色がよくて気持ちいい」と笑顔で話した。

 道の駅こどまり(中泊町)は通行止め期間中、予約が入っていたツアー24組中12組がキャンセルに。売り上げは例年の半分ほどに落ち込んでいるという。對馬有二駅長(67)は「年内の通行再開は厳しいと思っていたのでありがたい」と安堵(あんど)した様子で、紅葉シーズンを控え「多くの人に来てもらい、景色や食事を楽しんでほしい」と期待した。

 外ケ浜町三厩地区の竜飛崎で海産物を販売する水嶋夏子さん(73)は「コロナ禍で観光客はまだ少ないが、通行再開で少し光が見えた」と明るい表情を見せていた。

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