湊アートプロジェクト始動 壁画現る/八戸

完成した壁画の前で笑顔を見せる三戸さん(前列中央)と湊アートプロジェクトの関係者ら

 青森県八戸市湊地区をアートで活気づかせたい-と、同地区の有志が「湊アートプロジェクト」を始動させた。その一環で6日、同地区の店舗外壁にウミネコなどをモチーフにした大きな壁画がお披露目された。壁画を描いた八戸工業大感性デザイン学部4年・三戸晴輝さん(22)は「街が明るくなってほしいと思い、描いた。たくさんの人に見てもらいたい」と笑顔で語った。

 湊アートプロジェクトは、同地区で居酒屋「二代目湊のいろは」を経営する佐々木信綱さん(45)と、佐々木さんの湊中学校時代の同級生らが中心となって取り組んでいる。佐々木さんらは壁画を描く建物の所有者から承諾を得て、知人である三戸さんの姉を通じ、三戸さんに制作を依頼した。自身も湊中卒業生の三戸さんは「春から絵の勉強のため東京に出るので、地元を離れる前の記念になれば」と快諾。2月28日に制作を開始した。

 縦3メートル、横5メートルのスペースに下地塗料を塗り、水性ペンキとはけを使って、下絵なしのフリーハンドで描いた。雨で1日作業が中断し、落書きをしていると思われて警察に通報されるアクシデントもあったが、3月5日に完成した。壁画の横には、三戸さんの友人らが描いたタコやイカなど海の生き物の絵もある。

 大学内などで壁画制作やアクションペインティングの経験があるものの、地元八戸で、さらに人の目に触れる場所で描くのは初めて、という三戸さん。通り掛かかった車やJR八戸線の高架を通る列車から作業の様子を見られているのを感じ「うれしかった」と振り返った。

 壁画は同プロジェクト第2弾の作品で、第1弾は「二代目湊のいろは」の特徴的な内外装のデザイン。同市の造形作家木村勝一さんが手掛けた作品だ。佐々木さんは今後も湊地区に作家を集め、シャッターアートやオブジェなどを制作してもらう計画で「例えば朝は朝市とアート巡り、夜はアート巡りと居酒屋-というように、作品を見ながら街歩きを楽しめるような仕組みをつくりたい。アートで湊から八戸を盛り上げていきたい」と思いを語った。

はしごに登って絵を描く三戸さん=3日

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