よみがえれ牧良介/青森で21日から資料展

だびよん劇場の前でたたずむ、在りし日の牧良介さん(遺族提供)

 青森県に初めての本格的なライブハウス「だびよん劇場」をつくり、昭和から平成にかけて青森県の文化芸術シーンに大きな影響を与えた俳優の故・牧良介さん(本名・原剛)の足跡をたどる資料展「牧良介を探せ」が、21日から青森市のリンクステーションホール青森の展示室で開かれる。当時を知る人が少なくなっていく中、牧さんが大切にしていた何もないことを面白がる精神を伝えたい-と、生誕88周年を記念して有志が企画した。

 1974年、牧さんは青森市本町5丁目にライブハウス「だびよん劇場」を開設。当時、県内に本格的なライブスポットはなかった。店内には幅5メートルに満たない小さなステージ。牧さん自身も津軽弁の一人芝居を演じたほか、県内外から有名無名を問わず訪ねてくる俳優、歌手、詩人、画家など幅広いジャンルの表現を支えた。

 当時珍しかった地方発のライブカルチャーは東京にも知れ渡るところとなる。歌手の森田童子、映画監督の今村昌平のほか、弘前市生まれの劇作家・寺山修司や小説家の長部日出雄、評論家の三浦雅士らの著名人が足を運び、文化サロンのような様相を呈した。

 93年、牧さんが55歳で亡くなると「だびよん劇場」も閉館、後に取り壊しとなった。一方、店内で使われていたテーブル、椅子、時計などの備品や、牧さん手書きのメニュー表やライブのポスターなどは遺族が保管してきた。

 同展では、これらを生かし当時の店内の雰囲気の再現を試みる。また、牧さんを知る上で欠かせない「雪の会」「津軽弁の日」「寺山修司祭」「オドラデク道路劇場」をキーワードに、パネルや著作などの資料をそれぞれに展示。牧さんが切り抜いた新聞や雑誌の記事、手紙が収められたスクラップブックも当時のまま披露する。

 同展の発起人である鎌田秀勝さんは「何にもないことをおかしがり、自分たちで自分たちの街を面白くしようとした牧良介の存在を改めて多くの人に知ってほしい」と話している。

 同展は24日まで。午前10時~午後5時(最終日は午後4時)。入場無料。

資料展の会場レイアウトや各コーナーの資料配置について確認する実行委のメンバーたち

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