
秋田県鹿角市の「史跡尾去沢鉱山」が、本年度限りで一般客向けの公開を終了する。従業員の不足や高齢化が理由。来年度からは学校など団体の社会科見学や修学旅行、研修のみ予約を受け付ける。
鹿角市史などによると、尾去沢鉱山は708(和銅元)年に発見されたとの伝説がある。江戸時代は盛岡藩の所領となり、明治時代からは三菱系の企業の経営となった。銅価格の低迷などのため1978年に閉山した。
82年に市の第三セクターのレジャー施設「マインランド尾去沢」が現地に開業し、ピーク時の89年には年間約51万人が訪れた。坑道を活用したシューティングゲームなどが人気を集めた。
その後、来場者数が減少してきたため、2008年に観光坑道を核とした史跡尾去沢鉱山として再出発。三菱マテリアル子会社の「ゴールデン佐渡」(新潟県佐渡市)が運営してきた。
江戸時代から使われてきた総延長約800キロの坑道のうち、1・7キロを観光坑道として公開している。ゴールデン佐渡によると、観光坑道としては国内最大級という。坑道内には採掘した鉱石を運搬していた電車や「立坑」と呼ばれる坑内のエレベーター、削岩機などが展示されている。高さ約30メートルと約60メートルの大規模採掘跡や、鉱員を模した人形が立ち並ぶ当時の坑道内休憩所なども見どころの一つだ。
坑道内は年間を通じて気温が約13度となっており、鹿角市では隠れた避暑のスポットとしても知られる。千歳盛酒造(鹿角市)の日本酒も坑道内で貯蔵、熟成している。
近年の来場者は年間2万5千人~3万人。社員3人と嘱託社員1人、アルバイトで運営してきたが、人手不足や従業員の高齢化が進んでいた。坑道の案内や土産品販売などのこれまでの事業継続が難しいとして、来年3月末での個人、団体観光客向けの公開終了を決めた。純金砂金採りや土産品の販売も年度内で終了する。小田切健太郎支配人(49)は「会社として決めたこととはいえ、心苦しい気持ちはある」と話す。
例年8月は帰省客や夏休み中の観光客でにぎわう。今年は一般公開が本年度限りと聞いた帰省客や地元客らで混み合い、来場者は例年の同月の約1・8倍に上った。小田切支配人は「年度内にぜひ来てもらいたい。完全に閉鎖するわけではないので、来年度以降も尾去沢鉱山の歴史を紹介していきたい」と話した。
開館時間は午前9時~午後5時(11月以降は3時半)。観光坑道の観覧料は大人1200円、中高生900円、小学生700円、65歳以上1100円。未就学児無料。11月以降は水曜定休(年末年始、祝日は営業)。問い合わせは史跡尾去沢鉱山TEL0186・22・0123
鹿角市史などによると、尾去沢鉱山は708(和銅元)年に発見されたとの伝説がある。江戸時代は盛岡藩の所領となり、明治時代からは三菱系の企業の経営となった。銅価格の低迷などのため1978年に閉山した。
82年に市の第三セクターのレジャー施設「マインランド尾去沢」が現地に開業し、ピーク時の89年には年間約51万人が訪れた。坑道を活用したシューティングゲームなどが人気を集めた。
その後、来場者数が減少してきたため、2008年に観光坑道を核とした史跡尾去沢鉱山として再出発。三菱マテリアル子会社の「ゴールデン佐渡」(新潟県佐渡市)が運営してきた。
江戸時代から使われてきた総延長約800キロの坑道のうち、1・7キロを観光坑道として公開している。ゴールデン佐渡によると、観光坑道としては国内最大級という。坑道内には採掘した鉱石を運搬していた電車や「立坑」と呼ばれる坑内のエレベーター、削岩機などが展示されている。高さ約30メートルと約60メートルの大規模採掘跡や、鉱員を模した人形が立ち並ぶ当時の坑道内休憩所なども見どころの一つだ。
坑道内は年間を通じて気温が約13度となっており、鹿角市では隠れた避暑のスポットとしても知られる。千歳盛酒造(鹿角市)の日本酒も坑道内で貯蔵、熟成している。
近年の来場者は年間2万5千人~3万人。社員3人と嘱託社員1人、アルバイトで運営してきたが、人手不足や従業員の高齢化が進んでいた。坑道の案内や土産品販売などのこれまでの事業継続が難しいとして、来年3月末での個人、団体観光客向けの公開終了を決めた。純金砂金採りや土産品の販売も年度内で終了する。小田切健太郎支配人(49)は「会社として決めたこととはいえ、心苦しい気持ちはある」と話す。
例年8月は帰省客や夏休み中の観光客でにぎわう。今年は一般公開が本年度限りと聞いた帰省客や地元客らで混み合い、来場者は例年の同月の約1・8倍に上った。小田切支配人は「年度内にぜひ来てもらいたい。完全に閉鎖するわけではないので、来年度以降も尾去沢鉱山の歴史を紹介していきたい」と話した。
開館時間は午前9時~午後5時(11月以降は3時半)。観光坑道の観覧料は大人1200円、中高生900円、小学生700円、65歳以上1100円。未就学児無料。11月以降は水曜定休(年末年始、祝日は営業)。問い合わせは史跡尾去沢鉱山TEL0186・22・0123