26日米代川花火、初の秋開催に試行錯誤 催し継続へ若手奮闘

 人手不足や運営費高騰を理由に7月の開催が中止となった秋田県北秋田市の恒例行事「米代川花火大会」。運営体制などが見直され、26日に米代川河川敷で開かれる。例年と条件が異なる中、運営主体となった市内の若手有志でつくる「実行委員会若手部会」(武田昌大部会長)は、今大会の成功だけでなく来年以降の継続に向けて、試行錯誤を重ねている。

 米代川花火大会は、例年7月上旬に実施してきた。新型コロナウイルスの影響で2020年から2年間中止・延期しており、昨年31回目の開催となった。

 市観光物産協会がこれまで大会運営の実務を担ってきた。しかし、今年5月末に人手不足と運営費高騰を理由に7月開催を断念。地域住民からは落胆の声が上がった。住民の声を受け、市内の若手経営者ら有志が8月に若手部会を立ち上げて開催を模索してきた。

 部会長を引き受けた北秋田市出身の武田さん(39)は「自分が子どもの頃から続いているイベント。今年行わなかったら来年以降もずっと行われないだろうと思った」と、運営に名乗りを上げた経緯を振り返る。

 10月の開催が決まると、交流サイト(SNS)で市内外の友人から続々と連絡をもらった。「多くの人が花火大会を待ち望んでいると感じた」と武田さん。同時に、期待に応えられるような運営をしなければならないと気を引き締めた。

 昨年まで大会を引っ張った、市観光物産協会の佐々木宗純事務局長を相談役に迎えるなど体制を整え、設営などに当たる人員のめども付いた。例年より打ち上げ数を約千発少なくして費用の圧縮も図った。しかし、例年より準備期間が短く、運営費のやりくりも課題だ。目標の1千万円に届くよう、企業などを回り協賛を募った結果、11日時点で目標額の約7割集まった。大会までの残りの期間で上積みを図る考えだ。

 10月開催を機に、昨年までとは異なるイベントも用意した。花火の打ち上げまで楽しめるよう、会場へテントサウナの設置や、ハロウィーンに合わせて仮装行事を行う。夜間は冷えるため、温かいメニューを中心としたキッチンカーも出店する。

 10月開催は「今回が最初で最後」と武田さん。来年以降は再び7月開催を目指す考えで「今回の花火は今後の基礎固めにもなる。来年以降も開催できるよう、仕組みを見直し大会を成功させる。今回浮かび上がった課題は来年の大会に生かしたい」と語る。26日の大会終了後すぐに、来年の大会に向けて動き出す予定だ。

内陸線、花火に合わせ運行へ
 26日の米代川花火大会に合わせ、北秋田市の秋田内陸縦貫鉄道は鷹巣発阿仁合行きの列車1便の運行時刻を遅らせる。

 午後9時20分鷹巣発の列車を10分遅らせ、午後9時半出発とする。会場の最寄り駅の西鷹巣駅では、来場者が乗車しやすいよう約2分停車。阿仁合駅の到着は通常より13分遅い午後10時27分となる。

 内陸縦貫鉄道の担当者は「10月開催で夜は冷える。暖かい列車で来場者をお出迎えしたい」と話している。

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