寺山餅店、創業200年 16日に餅まき/黒石

看板商品の「四半餅」を作る寺山さん(手前)と十曜生さん。テグスを使って切り分けていく

 青森県黒石市中町のこみせ通りにある老舗の「寺山餅店」が創業200年を迎えた。江戸時代から地域に親しまれる看板商品の「四半餅(しはもち)」をはじめ、一子相伝の味と技術を継いできた。「地域の皆さんのおかげでここまで来られた」と9代目の現店主・寺山正幸さん(61)。感謝と決意を新たに「黒石こみせまつり」2日目の16日に記念の餅まきを行う。

 江戸時代後期の1824(文政7)年創業。初代は「カネキュウ」の屋号で雑穀業を始め、3代目から餅店を営むようになった。以来、家族経営を主体に手作りの餅のおいしさを提供し続けてきた。

 時代とともに餅の需要が落ち込む中、歴代店主は独自の商品開発にも取り組んできた。正幸さんの祖父、7代目の幸一郎さんは串餅作りに、父で8代目の善造さんはおはぎやのり巻きといった、もち米を使った商品に力を注いだという。正幸さんも、つきたての餅を急速冷凍した「抹茶生くりぃむ大福」などのオリジナル商品を考案した。

 新型コロナ禍には百貨店などでの出張販売がなくなり、原材料価格も高騰。店を取り巻く環境は厳しいが、それでも「200年続いた店を、さらに先へつなげていきたい」と正幸さんは言う。店では、専門学校で調理や製菓技術を学んだ長男十曜生(とよお)さん(30)が10代目となるべく修業中。「後継者がいるので一安心。知識と経験を生かし、より良い店にしてほしい」と目を細めた。

 16日の餅まきは、午前11時半に始まる津軽三味線の演奏終了後、正午ごろに店2階から紅白の餅各200個をまく予定。また、まつり期間の15、16日に商品を購入した人へ、特製こぎん刺しコースターをプレゼントする。各日先着100枚、計200枚を用意している。

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