人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズに登場するモビルスーツの巨大立像で有名な青森県おいらせ町一川目の「スズキ理容」が7月、カラオケスナックに装いを改めた。店主の鈴木敏美さん(79)は視力の衰えで散髪が難しくなったものの、商売や新たな作品制作への意欲は衰えない。「好きなこと」をずっと突き詰めていくつもりだ。
鈴木さんは元々、美術の道に進みたかった。しかし父の理容店を継がねばならず、三沢市の理容専門学校を卒業してから約60年間、はさみを握り続けてきた。
仕事の傍ら趣味で石こう像を作り、店に置いていた。2006年のある日、客がふと、ガンダムを作ってみたら-と口にした。「なんだ、ガンダムって」。鈴木さんは当時61歳。買ってきたプラモデルを見ながら、作ってみることにした。
理容店の敷地が空いていたため「せっかくなら大きいものを作ろう」と、高さ3メートル超のコンクリート製のガンダムを約1年かけて完成させた。反響は大きく、ガンダムシリーズの制作にのめり込んだ。最初に作ってから約20年がたった現在は巨大立像が17、18体にまで増えた。
鈴木さんが手がけた髪形は、いつしか「ガンダムカット」と呼ばれるように。制作に熱中できたのは理容師としての仕事があってこそだった。だが、年には勝てない。23年の年明けごろ、理容店の看板は下ろすと決めた。
再出発は早かった。赤いカウンターチェアにソファ、スピーカー。好きなカラオケを商売にしようと貯金をつぎ込んで設備を整え、1カ月で店を改装した。
スナックといっても午後1~6時の営業で、メニューの大半はソフトドリンク。カラオケはフリータイムで500円。希望すれば散髪もしてもらえる。鈴木さんは「安く楽しく、店を利用してもらえたら」と話す。
一方、新たな立像制作も進めている。モビルスーツ「ドム」を発泡スチロールで手がけ、12月ごろの完成を目指す。「気軽に店に来てほしい。作品を、いつまでも見てもらうのが夢です」
鈴木さんは元々、美術の道に進みたかった。しかし父の理容店を継がねばならず、三沢市の理容専門学校を卒業してから約60年間、はさみを握り続けてきた。
仕事の傍ら趣味で石こう像を作り、店に置いていた。2006年のある日、客がふと、ガンダムを作ってみたら-と口にした。「なんだ、ガンダムって」。鈴木さんは当時61歳。買ってきたプラモデルを見ながら、作ってみることにした。
理容店の敷地が空いていたため「せっかくなら大きいものを作ろう」と、高さ3メートル超のコンクリート製のガンダムを約1年かけて完成させた。反響は大きく、ガンダムシリーズの制作にのめり込んだ。最初に作ってから約20年がたった現在は巨大立像が17、18体にまで増えた。
鈴木さんが手がけた髪形は、いつしか「ガンダムカット」と呼ばれるように。制作に熱中できたのは理容師としての仕事があってこそだった。だが、年には勝てない。23年の年明けごろ、理容店の看板は下ろすと決めた。
再出発は早かった。赤いカウンターチェアにソファ、スピーカー。好きなカラオケを商売にしようと貯金をつぎ込んで設備を整え、1カ月で店を改装した。
スナックといっても午後1~6時の営業で、メニューの大半はソフトドリンク。カラオケはフリータイムで500円。希望すれば散髪もしてもらえる。鈴木さんは「安く楽しく、店を利用してもらえたら」と話す。
一方、新たな立像制作も進めている。モビルスーツ「ドム」を発泡スチロールで手がけ、12月ごろの完成を目指す。「気軽に店に来てほしい。作品を、いつまでも見てもらうのが夢です」