和菓子「11ぴきのねこたち」 販売累計4万個突破/松宗菓子店(三戸)

25種類に増えた「11ぴきのねこたち」

 青森県三戸町出身の漫画家・絵本作家・故馬場のぼるさんの代表作「11ぴきのねこ」シリーズをモチーフに、同町の松宗(まつそう)菓子店=松尾宗橘(そうきつ)店主(67)=がねこの顔を一つ一つ手作りしている和菓子「11ぴきのねこたち」の販売数が、2月19日に累計4万個を突破した。販売を開始した2020年6月から3年8カ月、“4万匹のねこたち”が大使として、町内外に三戸の魅力を発信している。

 馬場さんの絵本「11ぴきのねことへんなねこ」を題材に、表情豊かなねこの顔を再現した。材料は練り切りあんやようかんで、5センチ四方の大きさのケース入り。同店によると10年ほど前、松尾さんが三戸高校で保護者を対象にした和菓子作り講習会で作ったところ、口コミなどで情報が拡散。販売していないにもかかわらず、店に問い合わせが相次ぎ、絵本の版権を持つ「こぐま社」(東京)と協議し、試作を重ね販売に踏み切った。

 県外からも引き合いが相次ぎ、“聖地巡礼”で訪れる客のほか、発送の依頼が連日届く。福岡県の保育士髙倉華代さん(59)も「11ぴきのねこ」のファンの一人で、主任保育士として勤めている「いふくまち保育園」「ごしょがだに保育園」(ともに福岡市中央区)でも、11ぴきのねこは子どもたちに大人気。「子どもたちにこれからも楽天的に元気に生きていってほしいという私たち保育者の願いが、かわいらしい表情と愉快なストーリーに投影されている」と髙倉さん。2月に初めて「11ぴきのねこたち」を入手し「愛らしくて、食べるのを少しためらったが、甘さ控えめでおいしく、心も温まりました。いつか三戸町を直接訪れたい」と言う。

 松尾店主は「表情づくりが難しいが、お客さんに褒められると素直にうれしい」、一緒に菓子作りをしている長男・宗樹さん(37)は「4万個になるまであっという間。たくさんの人に知ってもらいたい」と話す。1個260~280円(税込み)。ふるさと納税の返礼品にもなっている。問い合わせは松宗菓子店(電話0179-22-2719)へ。

和菓子「11ぴきのねこたち」を前に笑顔の松宗菓子店の松尾さん家族

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