元三春屋バイヤーらが青果店出店/八戸

旧三春屋向かいに青果店を出店した坂上代表(左)と服部さん=八戸市十三日町

 2022年4月に閉店した青森県八戸市十三日町の百貨店・三春屋の青果バイヤーだった元従業員と、仕入れ先だった青果業者の代表が今月、旧三春屋向かいに青果店「青果ショップあられ」を出店した。元従業員の服部亜沙美さん(42)は「再びお客さまの声を売り場に反映させることができてうれしい」と喜びをかみしめている。

 服部さんは三春屋に就職後、食品レジ担当を経て、閉店までの約10年間は青果部門に配属。バイヤーとして活躍していた約2年前、突然店側から閉店の説明を受けた。「本当になくなるとは信じられなかった。お客さまと会話できなくなると思うと悲しかった」

 昨年夏、そんな服部さんに声をかけたのは、30年以上三春屋に青果を卸し、顔なじみだった坂上青果(同市)の坂上俊夫代表(64)だ。「(三春屋閉店は)私も寂しかった。彼女とは波長が合っていた」と振り返り、青果店の新規出店に向けて服部さんと意気投合したという。

 出店場所は十三日町の空き店舗に決定。中心商店街を選んだのは、三春屋時代の顔なじみ客が来店しやすいことに加え、中心街の料理店のニーズも見込んだ。

 2月1日、念願の青果店がオープン。売り場スペースは三春屋の青果コーナーの半分以下だが、トマトや長ネギ、ミカンやイチゴなど色とりどりの野菜や果物が並んだ。服部さんは「来店客が口コミやSNS(交流サイト)で発信したり、顔見知り客が友達を連れて来たりしたおかげで、次第にお客さまが増えている」と表情を緩める。

 ただ、スペースや季節の都合上、現在は品ぞろえが不十分だという。「『三春屋で置いていた商品が欲しい』など直接要望を受けている。そういう商品を取り入れて、皆さんが来て楽しいと思える店にしていきたい」と服部さんは話す。

 坂上代表は「料理店からは『春の山菜はまだ?』などの問い合わせがある。そのニーズに応えながら、野菜ジュースやカットフルーツを市民にテイクアウトできる店にもしていきたい」と先を見据えている。

 営業時間は午前9時半~午後6時(土曜日は午後5時半まで)。定休日は日曜と祝日。水曜は不定休。

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