青森県おいらせ町の伝統芸能「百石えんぶり」が15日、同町百石地区で始まった。百石えんぶり組の約40人が八幡宮に奉納摺(ず)りをした後、町内に繰り出して門付け。豊作や商売繁盛を願って勇壮なえんぶりを披露した。

 百石えんぶりは、テンポが速く烏帽子(えぼし)を激しく振る五戸町の流れをくむ。八幡宮では太夫たちの勇ましい摺りに続き、大黒舞やえびす舞などが披露された。百石えんぶり特有の子どもたちの演目「竹の子舞」では、かわいらしい舞に境内に集まった見物客から温かい拍手が送られた。

 町教育委員会は1月31日からえんぶり教室を開き、子どもたちが連日稽古に励んだ。百石えんぶり組を率いる百石郷土芸能連絡協議会の小向政治会長(66)は「教室で見る見る上達していった。子どもはすごいね」と本番での出来に笑顔。4歳から参加し、大黒舞を披露した百石高校3年松村彩華さん(18)は「多くの人が見に来てくれてうれしかった。笑顔で舞うので楽しんで見てほしい」と話した。

 16日は町内各地で門付けし、17日は八戸えんぶり一斉摺りに参加する。

八幡宮に摺りを奉納する百石えんぶり組の太夫

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