2年ぶり大杉玉かけ替え/おいらせ・桃川

新酒完成に合わせ、桃川本社の玄関にかけ替えられた大杉玉=24日午前、おいらせ町上明堂

 青森県おいらせ町の酒造会社「桃川」(上田友司社長)は24日、新酒完成を示す名物・大杉玉のかけ替え作業を行った。直径約1.8メートル、重さ約600キロの青々とした杉玉に衣替えされ、同社社員が酒造りへの思いを新たにした。

 新調した杉玉は同社OBの大塚昭彦さん(78)らを中心に、社員たちが10月中旬から製作。軽トラック7台分のスギの葉を使用し、例年よりも時間をかけて仕上げた。

 同日、本社玄関の茶色くなった先代を取り外した後、8人がかりで新しい杉玉を運び、地面から30センチほどの高さにつり上げた。大塚さんは「隙間なくスギを詰めたことでまばらな部分がなく、20年以上作ってきた中で最高の出来」と満足げな表情。上田社長は「コロナ禍は本当に大変だった。新しい杉玉を見ると、やはり気持ちが良い。やっと安心してお酒が飲めるとの思いになれた」と話した。

 杉玉は枯れ具合で日本酒の熟成を測る目安とされ、酒の神様への感謝をささげるものとして掲げられる。製作は同社銘柄「杉玉」の日本一を願い、1997年から行う恒例行事。コロナ禍で2年ぶりにかけ替えした。

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