身近な規律性学ぼう 8月に数学公開講座/弘大

弘大が数学を身近に感じてもらおうと開く公開講座で講師を務める金教授(左)と江居准教授

 弘前市民会館、シダ植物、海岸線…。これらに数学が深い関わりを持っていることを知っていますか?。身の回りの物事と数学のつながりをひもとき、数学の面白さに触れてもらおうと、弘前大学は8月5、6日の2日間、同大で市民向けの公開講座「夏休みの数学2023」を開く。講座を担当する教授らは「数学自体は目に見えないけれど目に見える形で面白さを紹介できれば」と話している。

 1.61803…。図形や物体を美しく見せる数「黄金数」である。短い辺の長さを1とした時、長い辺の長さが約1.61だと黄金比となり、レオナルド・ダビンチの絵「モナリザ」の顔やミロのビーナス像にもこの比率が使われている。弘前に身近なところでは、近代建築の巨匠・前川國男が手がけた弘前市内の建築でも見つけることができる。

 弘大大学院理工学研究科の金正道教授は、実際に前川建築を訪ねたり、図面を調べたりして黄金比を調査。弘前市民会館のホール、木村産業研究所の窓など前川建築の至る所で黄金比を見つけた。講座では、予備知識がなくても分かるレベルで黄金数が持つ性質や身近な事例を紹介する。

 同研究科の江居宏美准教授は、図形の一部分を拡大して見た時にその図形全体と同じ形が現れる「フラクタル図形」を取り上げる。この特徴は、シダ植物の葉や海岸線の凹凸、雲などにもみられる。講座では、コンピューターを使ってこの図形の描画に挑戦し、その不思議な性質に迫る。

 江居准教授は「過程にぶれがなく、すっきりとしているところが数学の魅力」、金教授は「黄金数は有名だが、実際に身近なところでどこに使われているかを知る機会は少ない。この講座が数学に興味を持つきっかけになれば」と話した。

 5日は江居准教授、6日は金教授が講師を務める。受講は無料。受講希望者は今月24日までに申し込む。申し込み、問い合わせは同研究科(電話0172-39-3510)へ。

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