「津軽竹籠」作り 協力隊3人が技術学ぶ

愛宕集落で200年以上前から作られてきたとされる「津軽竹籠」の技術習得に意欲を見せる(左から)政本さん、上田さん、伊谷さん

 青森県弘前市愛宕集落に伝わる竹細工の技術習得を目指し、京都府出身の上田倫未(ともみ)さん(50)、大分県出身の政本龍介さん(29)が4月、同市岩木地区の第4期地域おこし協力隊に着任した。2人は、昨年4月に隊員となった大阪府出身の伊谷(いたに)翼さん(40)とともに地元の「津軽竹籠」職人の三上司さん(87)と佐藤生穂(いくお)さん(77)から伝統の技を教わっている。

 津軽竹籠は岩木山のネマガリダケを使い、愛宕集落で200年以上前から作られてきたとされている。近年はプラスチック製の籠の利便性に押され、利用が減っているが、工芸品としての注目は高まっている。地元出身で技術を継承する職人は三上さんと佐藤さんの2人のみ。市は地域おこし協力隊を募り同集落の竹細工の継承を目指している。

 上田さんは京都府で家電の商品企画やデザインを行っていた。旅行で青森県を訪れるのに併せ、岩木地区協力隊の体験ツアーに参加し、自然由来の竹のみで作られる竹籠に引かれ、応募を決意した。

 政本さんは大分県にある公立の職業訓練校でマダケを使った竹細工を学んでいた。同校の応募案内から同協力隊の職業体験ツアーに参加し、素材も環境も全く違う舞台で挑戦したいと思い、応募した。

 現在、2人は編み方など作業の基本から学んでいる。上田さんは「3年後には竹籠をきっかけに人が集まる場所をつくりたい」と活動に意欲を見せた。政本さんは「お店を持って作家が竹細工で食べていけるような環境をつくりたい」と笑顔で話した。

 活動が始まって1年たつ伊谷さんは、ネマガリダケを使った小物入れや風車作りのワークショップを行い、竹細工の普及に取り組む。伊谷さんは「上田さんはマーケティング、僕は発信や営業で力を発揮できると思う。政本さんは技術にたけていて、3人とも特徴があるので協力できたら」と期待感を示した。

ネマガリダケを使って作られた「津軽竹籠」

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