画家・安保さん 30日から家族3人展/青森

亡き夫の博文さん、次女の泉芳さんとの家族3人展を実現させ、「とてもうれしい」と笑顔を見せる安保さん。背景は安保さんがピエロなどを描いたパステル画

 青森市の画家安保(あんぼ)紀江さん(82)が30日から、青森市の協同組合タッケン美術展示館で、2020年に亡くなった夫の博文さん(享年83)の回顧展を兼ね、次女の泉芳(みずか)さん(52)との家族3人展を開く。県内の絵画愛好家による「青森新院展」代表や中央の美術団体「新日本美術院」副会長を務めた博文さんは生前、個展の開催を望んでおり、安保さんが夫の遺志を継いだ形。安保さんは「回顧展は最初で最後。お世話になった多くの人たちに見てもらいたい」と話した。7月2日まで。

 安保さんは、県職員として長く福祉畑を歩み、趣味の油絵やパステル画を描き続けてきた。県立高校の教諭で演劇の顧問だった夫の博文さんも、安保さんの影響で40代以降に風景画に取り組むようになり、夫婦でたびたび欧州を旅行しては作品の題材にしたという。

 次女の泉芳さんも関東の美術大学に進学し、現在はグラフィックデザイナーとして活躍。家族3人展は数年前に企画したが、安保さん自身の病気や博文さんの死去、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で延期に延期を重ねていた。

 安保さんの活動は停滞し、生きる意欲がそがれた時期もあったというが、病状が回復したこともあり、周囲の協力で家族3人展がようやく実現。会場には、博文さんがパリや弘前公園の風景を描いた100号の大作「画家たちのモンマルトル」「春の濠(ほり)」をはじめ、安保さんや泉芳さんの作品計92点を展示する。

 安保さんは博文さんの作品を眺め、「一緒に旅行した思い出がよみがえってくる。3人展を実現できてうれしい」と感慨深げ。「絵を描くことは前に進もうと思わせてくれる。今後も自分のペースで活動を続けたい」と語った。

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