母の美容院をバルに 坂上さん「若者集まる場所に」/田子

南部せんべいのナチョスを出す坂上さん

 青森県田子町でかつて母が営んでいた美容院を改装し4月、同町の坂上祐紀さん(35)が飲食店「裏路地バルよだか」をオープンした。カウンターとテーブル四つ、25平方メートルほどの店。町中の飲食店が減り、活気が失われていくふるさとの様子に「なんとかしなければ」と、開店を決断した。坂上さんは、町内のニンニク栽培・加工販売「沢田ファーム」で働いており、現状は週末と予約のみの営業だが「副業として店を開くことを許してくれた会社に感謝したい。若い人が集まれる場所になれば」と話す。

 坂上さんは田子高校を卒業後に上京、東京・高円寺のカフェでイタリアンをベースにした無国籍料理の調理経験を積み、27歳で帰郷した。店は、母・一子さん(65)が営む美容院だったが、一子さんが病に倒れ閉店。父・雅則さん(66)と一緒に、コツコツと店づくりを進め、約半年かけて改装した。

 お薦めは、メキシコ料理をアレンジし、トルティーヤ・チップスの代わりにパリッとした食感のせんべいを使ったオリジナルの「南部せんべいのナチョス」。田子産ニンニクはもちろん、可能な限り地場食材を使いたいと開発した。一人で調理、接客をこなせるか不安もあったが、都内のすし店で修業経験がある4歳年下の後輩関本隆泰さんが忙しい時に手を貸してくれることになった。

 自身が得意とする洋食と、関本さんの和食。「力を合わせてオールジャンルの料理が提供できれば」と坂上さんは語る。店名は坂上さんの好きな、宮沢賢治の童話「よだかの星」から名付けた。星空日本一に輝いたこともあるふるさとで、「よだか」がひときわ輝く星になるよう、坂上さんの挑戦は始まったばかりだ。営業時間は午後7時~午前0時(不定休)。予約、問い合わせは坂上さん(電話090-2602-9598)へ。

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