生と死に迫る空間芸術/15日から弘前で大巻展

一枚の薄い布が波打つように動く大巻さんの代表作「Liminal Air Space-Time」の新作

 青森県弘前市の弘前れんが倉庫美術館で、春夏プログラム「大巻伸嗣-地平線のゆくえ」が15日に開幕する。14日、関係者向けの内覧会が行われ、岐阜県出身の現代美術作家・大巻伸嗣さんが、県内各地を巡って得たインスピレーションで制作したインスタレーション(空間芸術)などがお披露目された。10月9日まで。

 大巻さんは空間全体をダイナミックに変化させ、「生と死」「存在」「境界」といった曖昧なものに迫る作品で知られるアーティスト。国内外の展覧会で、その土地の風土や歴史、人の記憶を反映させた作品を発表している。

 大巻さんは弘前市鬼沢地区で鬼が腰かけた伝説が残る柏の木に出合い、新しい葉が芽吹くまで落葉しないという柏の葉に、現在から未来へ引き継がれていく人間の生と死の営みを重ね合わせたという。

 関係者は暗闇の中を静かに落ちる光の玉、キツツキが木をつつく音がこだまする森など、大巻さんの作品世界を旅をするように巡った。風で波打つ布を使って時空間を表現する代表作「Liminal Air Space-Time」の新作では、事前収録した地元の人々の声が迫力を演出した。

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