「小さな文化財」 弘工生が2年かけ修復

模型の屋根を載せる生徒たち

 青森県弘前市の弘前工業高校建築科の生徒たちが、2年かけて修復してきた同市追手門広場のミニチュア建造物が4日、完成した。時折雨が降る中、組み立て作業を終えた生徒たちは「弘前が誇る歴史的な建造物を、観光客にも見てほしい」と話した。

 修復したのは、同市元長町にある国指定重要文化財・旧第五十九銀行本店本館の10分の1サイズの模型。明治から大正にかけ市内に実在した建物14棟が並ぶミニチュア建造物群の中でも、同館は日当たりの悪い場所にあり、特に腐食が進んでいた。市の依頼を受け、実習の一環で修復作業に当たった。

 今年は同科3年生7人が春から作業を進めてきた。昨年の3年生から引き継ぎ、岡田俊治教諭の指導の下、柱や屋根、棟飾りなどの部品を一つ一つ、角材から削り出して造り色を塗った。

 この日は順序を確認しながら部品をぴったり組み合わせ、仕上げに「青森銀行記念館」のプレートを取り付けて、拍手して完成を祝った。木村翔陽さんは「屋根飾りの丸みを削り出すのに苦労した。完成させることができて、とても達成感がある」と話した。

 ミニチュア建造物群は元々、同市の城北公園交通広場にあったが、2005年に現在の追手門広場に移動した。

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