昨年解体された青森県野辺地町本町地区の複合ビル「ウロコマル野坂ビル」の敷地内に今春、人々が集えるスペースとして「蔵」が誕生した。かつて、しょうゆとみその醸造などを営んできた400年の歴史を持つ豪商・野坂家の所蔵品も保管・展示している。現在は野辺地ロータリークラブの例会場として使われているが、所有者の野坂幸子さん(76)は町民らに野坂家の史料を見てもらったり、町の歴史を語り合ったりする場として開放する予定だ。
蔵は自宅に隣接しており、昨年7月から建設し、同11月に完成した。広さは約86平方メートルで、外観は商家を感じさせ、内部は木のぬくもりを感じさせる空間。荷物の整理期間などを経て、今年4月から同クラブの例会場となっている。
玄関先には、江戸時代に建てられ、しょうゆ・みそ醸造業を営んでいた当時の昭和40年代後半に倒壊した蔵の柱やはりの一部を使用。建築に携わったとみられる大工の棟梁(とうりょう)の名前などが書かれている。
展示スペースには、「天明三年」と書かれたはりも展示。「水」の文字が3カ所に書かれており、野坂さんは「大飢饉(ききん)があった年。仕事をつくることで人を救いたいという思いがあったのでは。『水』の文字は火災防止のおまじないだったと思う」と語る。
ほかに日本画、油絵、版画などや、醸造業を営んでいた時の前掛けや五つ玉の算盤、野坂さんの祖父・亮太郎さんが編集した「大日本写真地理」などを飾っている。庭園にはかつて北前船で運ばれ、本町通りに敷かれた石も活用している。
野坂さんは「野坂家の家宝だが、町の宝でもある。多くの人に見てもらい、歴史を語り合う場にしたい。ちょっとした集まりにも利用してほしい」と語った。問い合わせは野坂さん(電話0175-64-5255)へ。
蔵は自宅に隣接しており、昨年7月から建設し、同11月に完成した。広さは約86平方メートルで、外観は商家を感じさせ、内部は木のぬくもりを感じさせる空間。荷物の整理期間などを経て、今年4月から同クラブの例会場となっている。
玄関先には、江戸時代に建てられ、しょうゆ・みそ醸造業を営んでいた当時の昭和40年代後半に倒壊した蔵の柱やはりの一部を使用。建築に携わったとみられる大工の棟梁(とうりょう)の名前などが書かれている。
展示スペースには、「天明三年」と書かれたはりも展示。「水」の文字が3カ所に書かれており、野坂さんは「大飢饉(ききん)があった年。仕事をつくることで人を救いたいという思いがあったのでは。『水』の文字は火災防止のおまじないだったと思う」と語る。
ほかに日本画、油絵、版画などや、醸造業を営んでいた時の前掛けや五つ玉の算盤、野坂さんの祖父・亮太郎さんが編集した「大日本写真地理」などを飾っている。庭園にはかつて北前船で運ばれ、本町通りに敷かれた石も活用している。
野坂さんは「野坂家の家宝だが、町の宝でもある。多くの人に見てもらい、歴史を語り合う場にしたい。ちょっとした集まりにも利用してほしい」と語った。問い合わせは野坂さん(電話0175-64-5255)へ。