2019年11月に太宰治生誕110周年を記念して行われた津軽鉄道ハイボール列車

 青森県五所川原市金木町の一般社団法人「かなぎ元気村」(伊藤一弘代表理事)は2月、津軽鉄道と協力し、車内で飲食を提供する「奥津軽ガストロノミー列車」を企画・運行する。国の事業採択を受け、新たな観光誘客の実証調査に取り組む。

 ガストロノミーとは、食を通して文化を考察するといった趣旨で「美食学」などと称される。元気村は地域の足としてだけでなく、観光資源でもある津軽鉄道の魅力創出策を検討。観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在型コンテンツ造成に向けた実証調査」事業の採択を受けた。

 運行するのは(1)赤~いりんご列車(2月14日)(2)ハイボール列車(同21日)(3)居酒屋列車(同22日)(4)美酒美味列車(同27日)の計4本。(2)は2019年11月に太宰治生誕110周年記念で一度運行され、ハイボールブームの火付け役として知られる銀座のバー「ロックフィッシュ」店主の間口一就さんが車内でバーを開店する。(4)は青森市出身の紀行作家で、日本酒に造詣の深い山内史子さんが飲食をプロデュースする。これらは太宰の生家「斜陽館」と連動して、米蔵ライブなども行われる。

 (1)は津鉄の津軽五所川原駅前でコミュニティーカフェを運営する「でる・そーれ」が、市名産の果肉まで赤い「赤~いりんご」などを使った料理や商品を提供する。(3)は津鉄車内販売員の斉藤しのぶさんが、地場食材を活用して食事を振る舞う。

 新型コロナウイルス感染拡大防止に対応するため準備作業が長引き、さらに緊急事態宣言の再発令で日程変更を余儀なくされた。列車の乗客は、モニターとして自治体の観光関係職員や観光事業者らに限定する。伊藤さんは「事業を通して津鉄の魅力を探り、持続可能な取り組みにしていくノウハウを学びたい」と話している。

かなぎ元気村が企画し津軽鉄道で運行するガストロノミー列車シリーズのチラシ


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