火災から4年、八戸・蕪嶋神社 復活間近

再建工事が大詰めを迎えている蕪嶋神社=22日、八戸市鮫町

 4年前の火災で社殿を焼失した青森県八戸市鮫町の蕪嶋神社の再建工事が最終盤に入っている。社殿はほぼ完成。今は境内に続く階段や周辺の工事が急ピッチで進んでいる。工事は年内に終わる予定で、来年春には一般開放される。野澤俊雄宮司は「八戸のシンボルとして改めて市民に親しまれてほしい」と願っている。

 新しい社殿は2階建て。南部町の「松本工務店」が施工した。建材には県産のケヤキやヒノキ、南部アカマツなどがふんだんに使われている。1階部分の大広間は津波など災害時の避難所を兼ねている。

 吹き抜けの天井には、同市の「鈴木彫刻工房」が制作した5体の天女の彫刻画が。見上げると、同神社の弁財天の使いとされるウミネコが舞い、天女が琵琶や太鼓、笛などを優雅に奏でている。祭事を執り行う2階の幣殿の天井には、中国出身の絵師が描いた竜の墨絵が据えられた。

 社殿再建の一方で、境内に続く階段も造り替えている。これまでの70段から94段に増やし、お年寄りに優しい緩やかな傾斜に生まれ変わる予定だ。

 蕪嶋神社は約700年前、蕪島の頂上に弁財天を祭ったのが始まりとされる。長年同市のシンボルとして親しまれてきた。火災が発生したのは15年11月5日未明。心配そうに多くの市民が見つめる中、社殿などの建物が炎に包まれた。涙を流す市民もいた。

 再建工事は1年後の16年11月にスタート。蕪島に飛来するウミネコの繁殖期の夏を避けて進めてきた。再建費用は約5億円を見込み、同神社と再建実行委員会が市内外から募った。10月22日までに約3億6千万円が集まった。

 野澤宮司は「やっとお見せできるところまできた。協力、支援していただいた方々のおかげ」と感謝の言葉を口にする。同神社は新年1月、社殿の完成を祝う「御白石持(おしらいしもち)行事」を行う。一般公開は3月下旬の例大祭の後を予定している。

2階建ての社殿の内部。吹き抜けの天井から天女像の彫刻が見下ろす

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