山口の金魚ちょうちん、ねぷたと共演へ

金魚ちょうちんをアピールする柳井市の関係者と今井さん(前列右端)

 弘前の金魚ねぷたが幕末に北前船で伝わったのがルーツとされる山口県柳井市の「金魚ちょうちん」が、150年の時を経て里帰り-。弘前文化財保存技術協会(今井二三夫代表理事)が1日から始まる弘前ねぷたまつりに合わせ3日まで、青森県弘前市のNHK弘前支局ギャラリーで初めて「金魚ちょうちん展」を開く。既に柳井市の関係者も弘前入りしており、伝統を大事に守っている両者は距離を超えて意気投合。夏の風情たっぷりの、愛らしい金魚たちの共演に心を通わせている。

 金魚ちょうちんは山口県の代表的民芸品。江戸時代から明治期にかけて、柳井で商売を営んでいた熊谷林三郎が金魚ねぷたにヒントを得て作り始めたとされる。8月13日には「柳井金魚ちょうちん祭り」が開かれ、白壁が美しい街並みに約4千個の金魚ちょうちんが飾り付けられるほか、学校や企業、団体などが制作した10台ほどの大型の金魚ちょうちんが運行される。

 展示は、国の伝統的建造物群保存地区(伝建)に選定されて昨年40年になった弘前市仲町に住む今井さんが今年2月、同じく伝建選定地区を有する柳井市の「白壁の町並みを守る会」40周年で記念講演に赴いた際に話が持ち上がり、実現した。

 期間中は、柳井市の関係者計11人が2陣に分かれ弘前を訪れ、100個の金魚ちょうちんや写真パネルなどを飾り付けた会場でPR。3日は、今井さんらが主宰する仲町子どもねぷた愛好会のねぷた運行に金魚ちょうちんを手に参加する。

 31日、展示の準備に汗を流した柳井市商工観光課の藤村英明課長補佐は「金魚ねぷたがなければ金魚ちょうちんも存在しなかったことを考えると、本州の端と端とがかつて船で結ばれていたことを実感する」。

 ちょうちん祭りは2021年で30回の節目を迎える。今井さんは「今回を足掛かりに、30回目に向けてさらに交流を深めていけたら」と話している。


柳井市で行われている「柳井金魚ちょうちん祭り」。大型の金魚ちょうちんが白壁の美しい街を練り歩く(柳井市商工観光課提供)

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