南部弁伝え続ける 柾谷さんと市民団体、月1回「昔コ」披露

南部昔コを披露する柾谷さん

 南部弁の保存伝承に取り組む青森県八戸市の八戸市公民館館長の柾谷伸夫さん(77)と、市民団体「南部昔コキャラバン隊」が4月から月1回、八戸ブックセンターで県南地方に伝わる昔話「南部昔コ」を披露している。背景にあるのは方言消滅への危機感。柾谷さんは「南部弁に気軽に触れられる場にしたい」と意気込む。

 「ある年、アワがごっそり盗まれだ。とっちゃ、ごしゃいだごしゃいだ(怒った怒った)」。5日、同センターの読書会ルーム。柾谷さんが同市南郷島守に伝わる、アワ泥棒をテーマにした昔コで観客を南部弁の世界に引き込んだ。

 同日はイベント「南部昔コ語りの小部屋」の初回。子どもからお年寄りまで30人以上が詰めかけ、立ち見が出るほどの大盛況となった。柾谷さんは「子どもや若い人が来てくれてうれしい」と60話以上のレパートリーから子どもが楽しめる話を披露。同隊の竹ノ子みさ子代表(70)らもそれぞれ昔コを語り、観客は熱心に聞き入った。

 家族で訪れた同市の佐藤結斗さん(10)は「昔コは初めて聞いた。面白かったのでまた聞きに来たい」と笑顔で話した。

 近年、若い世代が南部弁に触れる機会は減少している。「子どもの親世代が南部弁を話さなくなっていることが大きい」と柾谷さんはみる。次世代に語り継ごうと、柾谷さんは南部弁会話集を刊行したり小中学校で出前講座を開いたりと精力的に動き、市公民館主催の南部昔コ語り部養成講座では講師を務める。2017年には受講生を中心とした同隊を設立。約20人のメンバーが老人クラブや介護予防教室などで南部昔コの読み聞かせをしている。

 活動の幅を広げている同隊。竹ノ子代表は「岩手県遠野市では昔コを聞ける常設の場がある。八戸でも月に一度でもこういう機会が設けられてうれしい。いろいろな人たちにふらっと来てもらいたい」と期待を込める。

 南部昔コ語りの小部屋は毎月第1日曜の午前11時から30分間、同所で開催し、次回は5月3日。毎回異なる昔コを披露する。予約不要で入場無料。柾谷さんは「南部弁はすてきな言葉なんだと多くの人に知ってほしい」と話している。

八戸市

青森
最新プラネタリウム好調 八戸・児童科学館
青森
待ってました! 八戸・館鼻岸壁朝市が再開
青森
ひな人形600体展示 八戸市の更上閣
青森
医療ケア必要な蛇平さん 八戸で書道の個展
青森
史跡根城の広場でえんぶり披露 観覧客満喫