弘前市出身で青森県初の直木賞作家今官一(1909~83年)の同賞受賞から70年の節目に合わせた企画展「『壁の花』直木賞受賞70年 今官一 -わが友 太宰治」が同市立郷土文学館で始まった。直筆原稿や書簡、愛用品などが並び、展示替えも行いながら約100点を展示。知的で詩情あふれる作品の数々や、深い絆で結ばれた太宰治との交流の軌跡をたどる。2027年3月21日まで。
1938年、今は文芸誌「文藝汎論」に三部作「旅雁の章」「雷鳥の章」「和人埋葬(『朱実の章』と改題)」の連載を開始し、「旅雁の章」は同年下半期の芥川賞候補となった。40年には最初の小説集「海鷗の章」を刊行。56年、小説集「壁の花」で直木賞を受賞した。
今は早稲田第一高等学院在学中の27年、官立弘前高等学校に在学していた太宰を弘前市内のカフェに呼び、創刊を計画していた同人誌に勧誘。太宰は断ったが、これをきっかけに交流が始まり、同人誌「海豹」「青い花」などでの活動を通じて太宰が他界する48年まで交流が続いた。
企画展では2人にまつわるエピソードを紹介。44年、戦地に赴く今から未発表の原稿五、六百枚を、太宰が預かり死守したことについては、太宰の妻津島美知子が「増補改訂版 回想の太宰治」に当時の出来事を記している。
太宰は第1創作集「晩年」を今に贈る際、「誠実、花咲いては、愛情…」という献辞を記したというエピソードも紹介。添えられた手紙には「君自身、太宰なのだから」と書かれており、今への絶対的な信頼をうかがうことができる。
このほか、「青い花」の創刊に向けて太宰が作家久保隆一郎に意気込みを伝えた書簡や代表作品の数々、孫から見た今について書かれた寄稿なども並んでいる。
同館の佐々木真紀子解説員は「2人の交流について知っている人も多いと思うが、資料を見ることで、改めて軌跡をたどってもらえたら」と話した。
開館時間は午前9時から午後5時。観覧料は一般100円、小中学生50円。
1938年、今は文芸誌「文藝汎論」に三部作「旅雁の章」「雷鳥の章」「和人埋葬(『朱実の章』と改題)」の連載を開始し、「旅雁の章」は同年下半期の芥川賞候補となった。40年には最初の小説集「海鷗の章」を刊行。56年、小説集「壁の花」で直木賞を受賞した。
今は早稲田第一高等学院在学中の27年、官立弘前高等学校に在学していた太宰を弘前市内のカフェに呼び、創刊を計画していた同人誌に勧誘。太宰は断ったが、これをきっかけに交流が始まり、同人誌「海豹」「青い花」などでの活動を通じて太宰が他界する48年まで交流が続いた。
企画展では2人にまつわるエピソードを紹介。44年、戦地に赴く今から未発表の原稿五、六百枚を、太宰が預かり死守したことについては、太宰の妻津島美知子が「増補改訂版 回想の太宰治」に当時の出来事を記している。
太宰は第1創作集「晩年」を今に贈る際、「誠実、花咲いては、愛情…」という献辞を記したというエピソードも紹介。添えられた手紙には「君自身、太宰なのだから」と書かれており、今への絶対的な信頼をうかがうことができる。
このほか、「青い花」の創刊に向けて太宰が作家久保隆一郎に意気込みを伝えた書簡や代表作品の数々、孫から見た今について書かれた寄稿なども並んでいる。
同館の佐々木真紀子解説員は「2人の交流について知っている人も多いと思うが、資料を見ることで、改めて軌跡をたどってもらえたら」と話した。
開館時間は午前9時から午後5時。観覧料は一般100円、小中学生50円。