【連載うまい森・味めぐり】山海の幸に地酒・祈水/東通

山海の幸に恵まれた東通の食材と一緒に味わいたい村の地酒。「吟醸酒 祈水」(左から2本目)のラベルは越善靖夫村長が自ら筆を執ったという

 下北半島の北東端に位置する東通村は、能舞(国重要無形民俗文化財)や田植え餅つき踊り(青森県無形民俗文化財)などの芸能が、村人によって大切に受け継がれてきた土地。村が誇る地酒「祈水(きすい)」の銘には、厳しい北国の暮らしに耐えてきた先人たちと、豊かな山海の幸に宿る神々への感謝が込められている。

 祈水は村内だけで販売される地域限定ブランドとして2005年に誕生した。吟醸酒と特別純米酒がある。村にある約1億5千万年前の地層から湧く「ジュラ紀湧水」と、地元産の酒米「駒の舞」が原料に使われる。

 造っているのは本州最北の醸造所・関乃井酒造(むつ市)。東通村にちなんだ銘柄では「寒立馬」「能舞の郷」も手掛けている。祈水について、関勇蔵社長は「地元のコメと水がバランスよく調和した酒で、当社への問い合わせも多い」と人気ぶりを話す。

 一般的に、金属イオン含有量が多い硬水の酒は酸度が強めで辛口、逆に軟水の酒は軽やかな口当たりになる傾向があるとされ、軟水に区分されるジュラ紀湧水を使った祈水は、すっきりした飲み口で料理を選ばない。

 村関係者は、新・ご当地グルメ「東通天然ヒラメ刺身重(ヒラメ重)」をはじめ、東通牛や東通十割そば、ブルーベリーなど地元の食にマッチする地酒として売り込みに力を入れている。

<「地域の魅力 高めたい」越善靖夫村長>

 地酒「祈水」は、村のふるさと納税返礼品としても人気があります。新・ご当地グルメ「東通天然ヒラメ刺身重」は多くの方々に召し上がっていただき、もうすぐデビュー2年になりますが、祈水と一緒に味わっていただくのもお薦めです。

 ヒラメをはじめサケ、ソイ、アブラメ、サクラマス、スルメイカ、外海ホタテ、アワビ、ウニ、ミズダコ、コンブ、フノリ、マツモなど、天然の魚介と海藻類に恵まれた東通は、県内有数の沿岸漁業が盛んな村です。

 国重要無形民俗文化財「能舞」に代表される民俗芸能や「恋する灯台」に選ばれた尻屋埼灯台と寒立馬なども村の宝。これらをつなげて地域の魅力を高め、多くの人が行き交う、明るく元気な村にしていきたいですね。

<人気の天然ヒラメ刺身重 新メニュー7月登場>

 「東通天然ヒラメ刺身重」は、県内有数の漁獲量を誇る天然ヒラメと地場産食材のコラボで誕生した人気の新・ご当地グルメ。リクルートライフスタイル・エグゼクティブプロデューサーのヒロ中田さんが監修し2017年に誕生した。

 ヒラメはもちろん、東通牛や東通十割そば、海藻、ブルーベリーなど村の名産品がたっぷり。村内3店で提供しており、7月には新メニューが登場する。問い合わせは東通ヒラメ料理推進協議会(役場内TEL0175-27-2111)へ。

東通村長・越善靖夫氏

人気の新・ご当地グルメ「東通天然ヒラメ刺身重」。7月には新メニューが登場する

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