花見名物 40年変わらぬ「黒こんにゃく」/弘前

くどう勝酒店の出店で販売している黒こんにゃく。硬そうに見えるが柔らかく、弾力がある

 弘前公園(青森県弘前市)で開催中の弘前さくらまつりの名物「黒こんにゃく」。片手に持って園内を行き交う人々の姿はすっかり花見の風物詩となった。40年以上見た目も値段も販売場所も変わっていない。

 公園東側の中央高校口からレクリエーション広場に向かう坂の手前。「ジャンボおでん」の「くどう勝酒店」は毎年、同じ場所に店を構える。

 平日の24日、店の前にはこんにゃくを買い求める老若男女の客の姿が引きも切らなかった。値段は昔から1本100円。まつり期間中、平日で2千~3千本、休日は多い日で2万本売り上げる。店主の工藤大治(だいじ)さん(55)は「毎年『今年も来たよ』と来てくれるお客さんがいるから続けられる」とほほ笑んだ。

 黒こんにゃくの販売は父の勝利(かつとし)さん(86)が始めた。多くの来園者に手に取ってもらえるものを-と、安く提供できるこんにゃくを選んだ。真っ黒な見た目でインパクトを出そうと3年間、煮る時間や調味料を試行錯誤し、現在のレシピに行き着いた。5年前に店を引き継いだ大治さんもその味を守る。

 原料はしょうゆや塩などを加えた黒い液体。決め手の部分は企業秘密だが、イカ墨やコーラなどさまざまな予想について大治さんは「どれも違う」と言って、にやりとした。

 あえてさくらまつりの場にしか出店しないこだわりがある。まつりの名物に育ったという自負がそうさせる。大治さんは「1年に1度、さくらまつりのついでに100円のこんにゃくを食べに来て」と頬を緩めた。

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