森吉山ダムでワイン熟成 通年で気温・湿度一定の監査廊活用

森吉山ダム監査廊へのワインの搬入作業
 秋田県北秋田市の森吉山ダムで、ワインを長期熟成させる実証試験が始まった。年間を通して環境変化が小さいダム監査廊のスペースを活用し、市内農産物や加工品を貯蔵・保存する取り組みの第3弾。今秋収穫するブドウを使ったワインを5年間熟成させる計画もあり、ダムを管理する能代河川国道事務所と北秋田市は、今後も市内農家や加工業者などと連携して活用を進める考え。

 森吉山ダム管理支所によると、監査廊は通年で気温14度前後、湿度80~90%に保たれている。空いているスペースを活用しようと、同事務所と市は昨年2月に「監査廊の試行的利活用に関する覚書」を締結。第1弾として了月舎農園(阿仁小様)が栽培するサツマイモの貯蔵を始めた。同7月には、市内の旅館が宿泊客向けに自家製造しているみその保存熟成も開始した。

 今回は、自社農園でブドウ栽培とワイン製造販売を手がける森吉山ファーム(米内沢、北林丈正社長)が取り組みに参加。今月11日、農園内の「あきた野ワイナリー」で昨年産のブドウ2種類を使って醸造し、750ミリリットルの瓶に詰めた赤ワイン計400本を監査廊に搬入した。

 森吉山ファームによると、3年前にワインの醸造と販売を始めたが、長期熟成は初の試み。今後数カ月ごとに味などを確認して来年11月ごろまで保管し、商品名「ROSSO DI AKITANO(ロッソ・ディ・あきた野)」として販売する予定。北林社長は「できれば来年以降も継続してやっていきたい」と話す。

 森吉山ファームと北秋田市、森吉山ダム管理支所の3者は今年、市内の中学3年生と義務教育学校9年生を対象に、この秋に収穫したブドウでワインを醸造し、監査廊で熟成して5年後の「二十歳の集い」で受け取ってもらう「ふるさとワインプロジェクト」をスタート。今月27日、来月5日、19日に実施する収穫体験の参加者を募集している。プロジェクトに関する問い合わせは市産業政策課TEL0186・84・8104

北秋田市

秋田
狩猟と舞の共通文化で交流 13日、根子番楽とアイヌ舞踊共演
秋田
「駅舎オーナー」になりませんか 内陸線鷹巣駅、8月末まで募集
秋田
「内陸線、応援し続けたい」 北秋田の男性、50回目の1日オーナーに
秋田
内陸線田んぼアート、デザイン4点決まる 清鷹小児童らデザイン
秋田
26日米代川花火、初の秋開催に試行錯誤 催し継続へ若手奮闘