田舎館のイチゴ 「食べにおいでよ!」第1回


 ハウスの中、一直線に伸びる畝。生き生きとした葉に隠れ、つややかに赤く色づくとちおとめがのぞく。

 ここは「田舎館いちご研究会」工藤弘樹さん(61)が営む工藤観光農園。30歳で脱サラして生産者となり、今では冬イチゴ9棟、夏秋イチゴ3棟と、ほぼ一年中ハウスに生きる。

 「脱サラしたら毎朝、ごはんがおいしくなった」と笑う工藤さん。「おいしいと元気になるでしょ。だからイチゴも、収量もさることながら、一番は味に重点を置いて栽培している。ハウスの温度管理、土づくり、水やり、全部のバランスが大事。でもまだはっきりとは分からないので日々研究。田舎館いちご研究会ですから」。楽しそうに語る。

 さて、取れたてが食べたくなったら、隣接する直売所や「いちごカフェ」へ。毎年恒例のイチゴ狩り(30分食べ放題)は今月21~29日に開かれる予定。

 カフェでは、パフェなどイチゴのスイーツが充実。中でも100%の生ジュースの甘さといったら、もう。「これでシロップは入っていないんですか?」。失礼ながら、思わず聞いてしまいました。

■問い合わせは工藤観光農園(水曜・木曜以外の正午~午後5時、電話090-7795-1515)へ。

【品川新一村長から】アートの村で見て、味わって
 1993年から始まり、田舎館村を象徴する存在となった田んぼアートは、紫稲や黄稲など8色12種類の稲を使い精細な図柄を表現します。その技術は年々進歩し続け、今や国内外から注目を浴びています。

 そんなアートの村で堪能できる「田舎館いちご研究会」のイチゴは、有機肥料を多用し、土の環境作りから始める栽培方法にこだわり、大粒ならではの食べ応えと濃厚な甘さが魅力です。ぜひ田舎館村で「見て、味わう」ぜいたくなひとときをお過ごしください。

【こちらもチェック】名作が生まれる田んぼアート
 代名詞の田んぼアートは毎年必見の出来映え。今年、村役場に隣接する第1会場は「田舎館村70年のキセキ」をテーマに映画「風と共に去りぬ」「ローマの休日」に再度チャレンジする。第2会場(道の駅いなかだて弥生の里)は映画「おいしい給食」が題材。田植え後、育っていく作品は、村役場4階展望所などで10月13日まで公開される。鮮やかな8色となる、作品の見ごろは7月中旬から8月中旬の見込み。問い合わせは村役場(電話0172-58-2111)へ。

「土壌、水、温度管理、全てのバランスが大事」と語る工藤さんのイチゴ=4月末、田舎館村

「田舎館いちご研究会」の工藤弘樹さん

品川新一村長

名作が浮かび上がった2023年の第1会場「門世の柵と真珠の耳飾りの少女」

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