海峡介した交流・交易紹介/三内丸山で特別展

当時、ウルシの木が自生していなかったとされる北海道で出土した「微隆線土器」について説明する三内丸山遺跡センターの職員(左)

 青森市の三内丸山遺跡センターの5周年記念特別展第2部「海がむすぶ縄文 津軽海峡と三内丸山」が12日、同センターで開幕した。津軽海峡両岸の遺跡の出土品から、海峡を介した交流・交易、一つの文化圏を形成した様子を解明する。9月23日まで。

 展示は「津軽海峡とは」「海峡を越えたもの」「海峡をはさんだひとつの地域」の3部構成。津軽海峡は潮流が速く複雑で、昔から航海の難所として知られているが、縄文時代には既に青森と北海道南部のつながりがあったことが発掘調査で明らかになっている。

 特別展では同センター保存活用課の最上法聖(のりきよ)・文化財保護主幹が▽縄文人は丸木舟を巧みに操り、海峡の対岸へ渡った▽当時北海道に自生していなかったとされるウルシやイノシシに関する製品が北海道で出土▽土器の形や文様の類似性▽産地が限られる黒曜石や緑色岩を材料とした石器が流通-など交流・交易の痕跡を分かりやすく説明した。

 同センターの岡田康博所長は「今回の展示品は広域から借りており、一堂に会して見られる機会は多くない。なぜ(縄文遺跡群が)世界遺産に登録されたのか、実際に展示物を見て共通性や個性を感じてほしい」と述べ、来場を呼びかけた。

 観覧料は一般900円、高校生・大学生450円、中学生以下無料。問い合わせは同センター(電話017-766-8282)へ。

青森県と北海道で出土した縄文中期(左二つ)と前期(右二つ)の土器を並べ、似た特徴があることを伝える展示(中央二つが青森県)

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