深浦町内全18駅に「モヤイ像」

12日に深浦駅に設置するモヤイ像ねぶたと浪岡さん

 青森県深浦町内全18駅にモヤイ像が出現!? ここ数日、深浦町内のJR五能線の駅に、モヤイ像の面ねぶたが次々と設置された。12日には仕上げとして、中心部の深浦駅に高さ約2メートル、幅約1.5メートルのモヤイ像ねぶたがお目見えする予定。町の地域おこし協力隊員の浪岡敏勇(としお)さん(53)が、にぎわい創出につながればと、中心となって紙張りや色付けに取り組んだ。

 実は同町内には、2020年に閉鎖された宿泊施設ウェスパ椿山の敷地内に立派なモヤイ像がある。深浦駅に設置するモヤイ像ねぶたは、ウェスパに残されたモヤイ像のほぼ原寸大だ。

 ウェスパのモヤイ像はそもそも、1984年に伊豆諸島の東京都新島村から東京・蒲田東口商店街に友好の証として贈られたもの。再開発で撤去されていたが、99年にテレビ番組の企画に応募した深浦にやってきたという長旅の経緯がある。

 浪岡さんは、2022年の着任後にモヤイ像のことを知り「新島村からストーリーが続いているモヤイ像が忘れ去られていくのは寂しい」と、モヤイ像にちなんだ企画を模索。町への移住前に住んでいた青森市で長年ねぶたに携わっていたことから、ねぶたとのコラボレーションを思い付き、“モヤイねぶた”の骨組みづくりを同市在住の知人に依頼した。

 町は来年、旧岩崎村との合併20周年の節目を迎える。モヤイねぶたには、2018年ごろを最後に山車の合同運行が行われなくなったという深浦のねぶた復活を願う浪岡さんの思いも込められている。

 白神岳登山口駅に白神山地のグリーン、十二湖駅に青池のブルー、北金ケ沢駅には「日本一の大イチョウ」のイエローなどと、色鮮やかな面ねぶたも設置された。浪岡さんは「遊び心でいろんな色を付けた。見に来る人に楽しんでほしい」と話している。

 町内各駅のモヤイねぶたは8月末までの展示予定。駅舎がない駅は近隣の観光施設に飾っている。

深浦駅以外の深浦町内17駅に設置するモヤイ像面ねぶた=2日、深浦町役場

艫作駅の待合室にモヤイ像面ねぶたを設置する浪岡さん=10日

モヤイ像面ねぶたに色付けする浪岡さん

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