空き家改修ゲストハウス 市民と旅人つながる場に

スローハウス青森をオープンした横山さん=3月20日、青森市石江

 青森市で地域交流活動を行う一般社団法人「紫(ゆかり)」代表の横山椎乃(しいな)さん(35)が今年、同市石江にある築40年の空き家を改修したゲストハウス「スローハウス青森」をオープンした。気軽に立ち寄れる地域住民の憩いの場であるとともに、旅行者が青森の文化に触れることができる宿泊施設を目指す。横山さんは「来てくれた人みんなが笑顔になれば一番いい」と話す。

 ゲストハウスは国道7号沿いの住宅地に立地している。近くにはJR新青森駅があり、路線バスの本数も多く交通の便がいい。青森ヒバを使った2階建て庭付きの和風住宅で、1階は居住スペースとキッチン、トイレなどがあり、2階にも寝泊まりできる部屋が二つある。

 同市出身の横山さんは高校卒業後、都内の専門学校へ進学。卒業後は都内の老舗ホテルに就職し忙しい日々を過ごしていたが、結婚や出産などを経て2014年に青森へ戻ってきた。

 青森には何もない、こんなところ誰も来ない-。横山さんは帰郷してから、地元の人たちからこんな言葉をたびたび聞いた。青森には魅力的な自然や歴史、文化が残っているのに誇りに思わず、どこか地元のことを諦めているように感じたという。地元の人が県外の人と交流し、地元の魅力を再発見して誇りを取り戻すきっかけをつくろうと、ボランティア団体やイベントを立ち上げた。

 しかし、ボランティアやイベントは単発で終わることが多く、交流を深めることができないという課題があった。交流を継続したい人たちの受け皿になれる場所として、ゲストハウス開業に乗り出した。

 改修したのは横山さんの実家近くにあった空き家。横山さんは高校時代、ここに一人で暮らしていたおばあさんによくかわいがってもらったという。「庭になっているブドウをよく食べさせてもらった」と懐かしむ。おばあさんが亡くなり、関東在住の家族から空き家を取り壊すことを考えていると聞いた横山さんが、家族から借りて改修を進めた。

 3月20日にはゲストハウスオープン後最初のイベントとして、部屋の壁紙貼りやペンキ塗りを体験するワークショップを開いた。地元の子どもたちなど約50人以上が楽しみながら作業に熱中した。

 横山さんは今後、ゲストハウスを拠点に農業体験や神社仏閣の清掃などさまざまなイベントを実施するという。「地域の人と旅人が自然につながることができる場所にしたい」と目標を掲げた。

▼スローハウス青森 4、5日に体験イベント/CF9日まで

 一般社団法人「紫(ゆかり)」は4、5の両日、ゲストハウス「スローハウス青森」でイベントを開く。ゲストハウスの見学会やねぶた絵のワークショップ、駄菓子のプレゼント、ほうき作り体験が楽しめる。

 両日とも午前11時~午後5時。参加無料で、会場には自由に出入りすることができる。

 イベントや宿泊などに関する問い合わせは、スローハウス青森(メールslowhouse.aomori2026@gmail.com)もしくは、スローハウス青森のインスタグラムへ。

 このほか、空き家改修費やイベント運営などに充てるため、クラウドファンディング(CF)のサイト「キャンプファイヤー」で支援金を募っている。目標金額は150万円で、期間は9日まで。

3月20日にスローハウス青森で開かれたワークショップでペンキ塗りに挑戦する子どもたち

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