発酵文化発信の場に新施設 湯沢市に4月、漬物作り体験や食事も

伊藤漬物本舗が4月中旬にオープンする「五風十雨」のイメージ図
 漬物などの食品加工、販売を手がける伊藤漬物本舗(秋田県湯沢市角間)は4月中旬、漬物作りなどの発酵文化を体験でき、食事や買い物も楽しめる施設「五風十雨(ごふうじゅうう)」を同市倉内の国道398号沿いに開く。社長の伊藤明美さん(65)は「発酵食品は古くから地域の人々の生活を彩ってきた大切な財産。文化として広めていきたい」と話す。

 施設名は気候が穏やかに推移し、豊作を迎えられる状況を指す。木造平屋(約200平方メートル)で、1組4人以上の予約制として福神漬け作りを楽しんでもらう構想を描く。一度に最大30人ほどの受け入れができるよう、三つの体験室を設けた。施設の入り口にはダイコンやニンジンをつるしていぶし、いぶりがっこが出来上がるまでの過程も来場者に見てもらう考えだ。

 飲食部門は野菜のほか、魚や肉といった食材をみそやこうじ、塩などに漬けて調理したメニュー、燻製(くんせい)などの提供を検討。50席前後の規模で営業する予定だ。販売部門は自社製品のほか、地域の特産品、農産物などを並べる方針。

 敷地には40台ほどが駐車できるほか、団体利用を想定しバス用のスペースも設ける。日中に営業し、定休日を週に1日設定する予定。事業費は約8500万円。国の地域経済循環創造事業交付金に採択され、2500万円を交付されている。

 同社は1965年創業。主力商品の漬物などは主に卸売りで展開してきた。2001年から2代目社長を務める伊藤さんは小売りにも力を入れたい考えで、5年ほど前から施設整備を計画してきたという。

 開店を控え、パウダー状にしたいぶりがっこを振りかけたソフトクリームなど、オリジナル商品の開発を進める。伊藤さんは「消費者に自社製品を直接届け、発酵文化を発信する拠点にしたい。来場者がゆっくりと過ごせる場を目指す」としている。

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