童話語り聞かせ1世紀/八戸・森のおとぎ会

出演者の身ぶり手ぶりを交えた語りにじっくりと見入る来場者=22日午前6時10分ごろ、八戸市の長者山新羅神社

 八戸童話会(柾谷伸夫会長)は22日早朝、地域の童話や昔話を子どもたちに聞かせる夏休み期間恒例の「森のおとぎ会」を青森県八戸市の長者山新羅神社で始めた。今年は活動100年の節目。180人を超える親子連れらが朝もやの煙る中「おとぎの桜」前に詰めかけ、出演者の熱のこもった語りに耳を傾けた。

 森のおとぎ会は1924(大正13)年の八戸大火で家や遊び場を失った子どもたちを励まそうと始まり、これまでに創作童話や南部地方に伝わる昔話「南部昔コ」、紙芝居などさまざまなパフォーマンスを披露してきた。八戸童話会は67年に第20回東奥賞を受けている。

 22日は柾谷会長(74)や吹上小5年の津田晴海君ら4人が童話「おとなしすぎる」、絵本「とりになったきょうりゅうのはなし」などを披露。観客はじっくりと聞き入ったり、ユーモアあふれる話術に笑ったりしていた。

 赤ん坊の頃から来ている同市の福島朱乃(あやの)ちゃん(5)は「面白かった」と笑顔。子どもが語りを披露するという同市の中学教諭和泉光さん(38)は「長者が地元なので、懐かしい気持ちで見ていた。夏休みにプロのお話を聞くのも貴重な経験」と話した。

 柾谷会長は「僕らの知らない歴史がこの100年に詰まっている。それを大切にしながら続けていきたい。生のお話を聞くことで心を動かす体験は大事」と語った。

 21日夜には、八戸童話会創立100周年記念式典が同市の八戸グランドホテルで開かれ、会員ら約70人が節目を祝った。

 今年の森のおとぎ会は今月28日までで、いずれも午前5時半~同6時半。100周年を記念して、31日午前6時から、三八城公園内に八戸童話会が設置した児童安全塔付近で「城のおとぎ会」を開く予定。

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