弘前公園の南側外堀は一日で開花が一気に進んだ=7日午後、弘前市下白銀町

 青森県弘前市は7日、弘前公園内のソメイヨシノの開花を宣言した。1947(昭和22)年の調査開始以来、最も早い。十和田市官庁街通りの桜も“最速”の開花。青森市の青森地方気象台敷地内にある標本木でも統計開始以来最も早い開花が確認された。桜前線が早足に北上する中、青森県にも桜シーズンが到来した。

 弘前公園の開花は平年より15日早く、これまで最も早かった90年の4月13日と比べ6日早い。満開は平年より15日早い12日の見込み。外堀の開花も宣言し、満開は12日と予想。西堀の桜のトンネルは8日開花、14日満開と見込む。花は、弘前さくらまつりの「準まつり体制」が始まる15日ごろから散り始め、16日から18日には散った花びらが堀を埋める花筏(はないかだ)が見ごろになるとみている。

 弘前公園は7日、雨に見舞われたが、傘を差しながら咲き始めた花にカメラを向ける人の姿が目立った。弘前市の藤田松江さん(79)は「もう花見気分。亡くなった主人が写真を撮るのが好きだったので、帰ったら仏壇で『もう咲いたよ』と報告しないと」と話した。

 市公園緑地課の桜守・橋場真紀子主幹は「桜にとっては『恵みの雨』になった。水が行き渡ったので満開の時にはしっかりと花を咲かせてくれるだろう」と期待を寄せた。

 十和田市官庁街通りも2000年の調査開始以来、最も早い開花。これまで最も早い開花記録は02年の4月12日だった。早咲きを受けて、10日から官庁街通りの夜間のライトアップが行われ、市役所本館の展望テラスも開放される。市春まつりは20日に開幕する。

 10日から市中央公園緑地で露店の営業を始める十和田青空商店組合は準備に大わらわ。志田博俊会長(71)は「お客さんには桜をゆっくり楽しんでいただきたい。コロナで3年間泣いたが今年は少しでも売り上げを挽回できれば」と話した。

▼青森 来週末にも満開

 青森地方気象台(青森市)は7日、1956年の統計開始以来最も早く、青森市での「サクラ(ソメイヨシノ)の開花」を発表した。これまで最も早咲きだった2021年より6日も早く、平年より15日、昨年より9日早かった。

 7日午後、雨の中、敷地内にあるソメイヨシノの標本木で7輪ほど咲いているのを職員が確認した。嘉藤昭彦気象情報官は「全国的に2週間ほど早い傾向が続いている。来週末にかけて満開の見込み」と話した。同気象台によると、今年の冬から春にかけては西高東低の冬型が少なく、強い低気圧の南下もなかったため、南からの暖かい空気が入りやすかった。3月からの記録的な高温が影響した。

2000年の調査開始以来、最も早い開花となった十和田市官庁街通りの桜=7日午後0時半ごろ

雨の中、観測史上最も早く開花した青森地方気象台のソメイヨシノ=7日午後、青森市花園


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