青森県立美術館でバレエ「アレコ」公演へ

県立美術館が2024年度にバレエ「アレコ」公演を行う同館アレコホール。左側が米国フィラデルフィア美術館から借用中の第3幕

 青森市の県立美術館は2024年度に、同館アレコホールでバレエ「アレコ」公演を行う。館内でのバレエ公演は初めて。マルク・シャガールが手がけたアレコの舞台背景画全4作品がそろう同館の魅力を国内外に発信する考えで、23年度から音楽の編曲などに着手、振り付けは現代風に新たに創作する。

 バレエ「アレコ」はアレクサンドル・プーシキンの叙事詩「ジプシー」を原作とする、青年貴族アレコとジプシーの娘ゼンフィラとの悲恋の物語。

 同館によると、米国のバレエ団が1942年から68年まで公演しており、当時の資料を参考に2023年度は音楽、24年度は衣装と振り付けを制作する。現代社会の感性や価値観、表現方法を織り交ぜ「県立美術館版」の新作品とする。

 公演はアレコホール内に舞台を設営して計6回行い、ライブ配信も実施。ダンサーは総勢20人ほどで、青森県出身のプロダンサー出演に向けて調整しているほか、オーディションで県内の一般ダンサーも選考する。開催日時や出演者などは今秋にも発表する。

 展示中の舞台背景画4作品のうち、米フィラデルフィア美術館から借りている第3幕は今年3月末が借用期限だが、県美が期間延長を交渉しているという。

 県は23年度予算案に公演事業費847万円を盛った。衣装や振り付け制作、舞台設営の費用などは24年度予算に新たに計上する。同館舞台芸術企画課の櫻庭憲生課長は「舞台背景画4作品がそろう巨大空間でのバレエ公演が、絵の本来の魅力を伝える最善の方法。県立美術館を国内外にアピールしたい」と語った。

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