八戸えんぶり3年ぶり開催 摺りとともに春


 県南地方に春を呼ぶ豊年祈願の郷土芸能・八戸えんぶりが17日、青森県八戸市で開幕した。新型コロナウイルス禍により2021、22年は中止となり、3年ぶりの開催。初日は中心街での一斉摺(ず)りなどが行われ、同市や周辺地域の31のえんぶり組が、太夫らによる迫力の摺りや子どもたちの祝福芸を繰り広げた。会期最終日の20日まで、公演、お庭えんぶり、かがり火えんぶりなど多彩な行事で冬の街を祭り色に染め上げる。

 長者山新羅神社に集った各組が午前7時から奉納を行った後、行列を作って中心街へ。同10時半過ぎから約40分にわたり、初日のハイライトとなる一斉摺りが目抜き通りで行われ、馬の頭をかたどった華やかな烏帽子(えぼし)を着けた太夫が、頭を振って舞う勇壮な摺りを演じた。子どもたちによるかわいらしいえびす舞なども披露され、沿道の観客たちからは大きな拍手が沸いた。

 青空となったこの日は陽気が広がり、春の近さを実感させた。主催する八戸地方えんぶり保存振興会によると、人出は雨や雪模様で月曜日だった前回20年の初日と比べ、1万9千人増えて17万5千人だった。

 塚原隆市会長は取材に「3年ぶりの開催だけに、えんぶり組も観客も待ちに待った日だったと思う。天候にも恵まれ、多くの人に来ていただいた。えんぶり継承に向けての決意をさらに強くした」と語った。

 八戸えんぶりは800年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

3年ぶりに開催された八戸えんぶりの一斉摺りでにぎわう中心街=17日午前、八戸市三日町

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