来夏の棟方志功特別展「御群鯉図」初公開へ

オモダカやヒマワリが供えられた志功の墓前で焼香する関係者

 青森市出身の板画家・棟方志功(1903~75年)の命日に当たる13日、一般財団法人棟方志功記念館の関係者が、同市の三内霊園にある志功の墓「静眠〓」を訪れた。小野次郎理事長(館長)は、没後47年を迎えた志功をしのぶとともに、2023年度末で同市松原の同記念館を閉館することを報告。23年夏に記念館で開催予定の「棟方志功生誕120年記念特別展(仮称)」で、県内未公開の倭画を披露することを明らかにした。
※〓は玉へんに「卑」で、読みは「ひ」

 記念館によると、初公開するのは六曲一双のびょうぶに描かれた「御群鯉図(おんぐりず)」で、県外にある。志功の支援者の一人だった実業家大原家のために、32匹の緋鯉(ひごい)が泳ぎ回る姿を描いた作品とされる。小野理事長は取材に「棟方の生誕120年と、記念館の最後の年を飾る作品なので多くの県民に見てほしい」と話した。

 墓参には小野理事長や財団の評議員ら8人が参加。志功の命日は生前愛した花にちなみ「沢瀉忌(おもだかき)」とも呼ばれる。志功が好きだったベートーベンの「歓喜の歌」が流れる中、オモダカの葉や実、ヒマワリの花などが供えられた墓前で一人一人が焼香し、手を合わせた。小野理事長は墓前で「記念館は来年度末で閉じられることになった。閉館に向けて、今まで以上に心を引き締めて取り組んでいく」と語りかけた。

 一方、記念館にはこの日の入場が無料とされ、多くのファンが訪れた。

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