消防ホース 丈夫な財布に/障害者施設が再利用

アクリル製の糸でホースを縫う豊巻さん。生地が分厚いため、力加減が難しいという

 青森県弘前市城東4丁目の障害者就労継続支援施設「N-STAGE(エヌ・ステージ)」は、耐用年数を過ぎたり破れたりして使わなくなった消防用のホースで財布やバッグを作っている。丈夫で水に強い製品は、消防ファンを中心に人気を集めている。

 2日朝、施設の作業場で、豊巻政春さん(63)が、よく洗ったホースの切れ端に革で作ったポケットなどを手際よく縫い付けていた。「生地が分厚いので、糸の調子合わせが難しい」と話す豊巻さん。洗う工程は複数人で行うが、ミシンを使って製品を仕上げるのは豊巻さんが1人でやっている。長財布を一つ作るのに2日かかる。

 消防ホースの再利用は、他施設との差別化を図ろうと、葛西優子理事長が約7年前に発案。弘前地区消防事務組合はホースの使用期間を10年と定めており、年に1回、使わなくなったものを分けてもらっている。

 1本20~25メートルのホースから長財布が50~60個程度作れるという。赤やオレンジのものもあり、出来上がった製品は色とりどり。経年や素材によって一つ一つの手触りも違う。

 豊巻さんは「ものを再利用するという観点からもいい取り組み。作るのは難しいが、達成感がある」と話す。製品は津軽地域のイベントに出品しているほか、弘前市役所内のアンテナショップ「ハグワーク(hug work)」でも取り扱っている。

消防用のホースを一定の大きさに切って洗い、右のように丸めて保管する。左は長財布用に加工したもの

使わなくなったホースが、色とりどりの財布やキーケースなどに生まれ変わる

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