弘前の老舗「旭松堂」のお菓子 「食べにおいでよ!」第21回


 城下町弘前に銘菓あり。古くから人々に親しまれた銘菓が、街を季節を彩っている。1916(大正5)年創業の老舗菓子店「旭松堂」もその一つ。創業者の代から百年続く「バナナ最中」はじめ、「夜ざくら」、リンゴの「うす雪」と長く愛される和菓子で知られる。

 「旭松堂さんのバナナ最中は特別だから。白あんがしっとりとしていて、ふわっとバナナのいい香りがして、お茶受けにあると安心感が違うんですよ」。もう何十年もお店に通っているというご婦人が誇らしげに教えてくれた。

 ショーケースには秋の生菓子も。栗きんとん、栗かのこ、ススキの焼き印が映えるまんじゅう「秋風」、練り切りの「秋ごろも」、ぎゅうひの餅に包まれた「みのり(柿)」と、色鮮やかに並ぶ。

 4代目店主の山本清寛さん(64)は「地元で一番の老舗は350年以上の大阪屋さんですから、うちはまだ若造。新参者の気持ちで毎日地道に、お客さまに喜んでもらえるように作り続けるだけです」。

 一方で伝統を守るための変化はいとわない。時代に合わせて甘さ控えめに、サイズを小ぶりにするなどブラッシュアップしてきたという。「弘前に来たら必ず立ち寄りたくなる店へ、気になる商品づくりに挑戦し続けたい」

■問い合わせは旭松堂(電話0172-32-4023)

【桜田宏市長から】弘前菓子組合130周年の節目へ
 弘前市内には歴史ある菓子店が多くあり、長年市民に親しまれているお菓子も数多くあります。弘前菓子組合は、歴史ある菓子店で構成されており、来年130周年という節目の年を迎えます。今年の春には「弘前桜物語」という季節限定の春色スイーツを創作しており、今後もさまざまな企画を実施予定です。今秋は、栗や芋等を使った季節のお菓子を各店で販売しております。津軽の菓子職人はじょっぱりで無口であると言われておりますが、職人が作る繊細で美しい銘菓の味をさまざまな市内の菓子店でお楽しみください。

【さらにチェック】130周年の企画 加盟24店舗スクラム

 弘前菓子組合(山本清寛組合長)は1896(明治29)年に当時の弘前菓子商業会が発足して以来、来年130周年を迎える。23日現在、弘前圏域24店舗が加盟し、これまでにも各種キャンペーンを実施。今春には各菓子店が弘前七桜や桜七景をイメージしたお菓子を開発し、統一ブランド「弘前桜物語」として販売して好評を得た。

 山本組合長は「各店舗が結束してみんなで盛り上がっていけるような130周年事業を企画したい」と話す。詳細は弘前菓子組合サイト(https://hiro-kashi-2.jimdosite.com/)へ。

「旭松堂」の100年続く銘菓「バナナ最中」と秋の生菓子。(バナナ最中から時計回りに)「栗きんとん」「秋ごろも」「みのり(柿)」「秋風」=10月上旬、弘前市本町

旭松堂4代目店主の山本清寛さん

桜田宏市長

今春販売した「弘前桜物語」のお菓子

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