ガ「神樹蚕」青森県内初確認/弘大で展示

青森県で初めて見つかったシンジュサン。カラスなどに襲われたのか、後ろ側の羽が2枚とも切れていた

 弘前大学の白神自然環境研究センター(中村剛之センター長)は、シンジュサン(神樹蚕)という名前のガを青森県内で初確認し、9月24日まで弘大文京キャンパスの大学資料館で展示している。北海道から沖縄まで広く分布しながら、なぜか青森県では見つかっていなかった、反対の意味で「珍しい」品種。羽を広げた大きさは約13センチで、県内で生息する昆虫では最大級という。

 中村センター長によると、シンジュサンはヤママユガ科で、前側の羽の先が丸く飛び出しているのが特徴。全国の里山でよく見られるという。本州に9種類いるヤママユガ科のガでは、シンジュサンだけが県内で見つかっておらず、地元研究者の間では謎の一つとされていた。名前の由来は、神樹とも呼ばれるニワウルシを餌にするためという。

 シンジュサンが見つかったのは7月24日早朝。同センターの横山裕正さんが、西目屋村でのガの調査を終えて弘前市街に戻る途中、店舗の軒先に止まっていたのを偶然見つけた。思わぬ発見に、横山さんは「ドッキリでも仕掛けられたのか」と思ったという。

 中村さんは「昆虫愛好家が長年かけて見つけられなかったので、本県では生息できない理由があるのでは、と考えていた。まだまだ調査が足りないということだろう」と笑って話す。

 同センターは7月11日から、大学資料館でチョウやガのコレクション展を開催中。シンジュサンは今月9日から展示に加えられた。

 資料館の開館時間は午前10時~午後4時。入場無料で日曜と祝日は休館。

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