八戸三社大祭開幕/3年ぶり山車が特別運行


 県南地方最大の夏祭り・八戸三社大祭が31日、青森県八戸市で開幕した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で神明宮、おがみ神社、長者山新羅神社の神社行列と山車27台の合同運行は3年連続中止となったが、伝統継承を目的とした代替行事が市中心街などで行われ、特別行事としてはちのへ山車振興会の共同制作山車「青森歴史浪漫(ろまん) 義経北行伝説 蝦夷(えぞ)渡海」が運行された。3年ぶりに絢爛(けんらん)豪華な時代絵巻が街を練り歩き、沿道の市民らを魅了した。
※「おがみ神社」の「おがみ」は、雨かんむりと「龍」の間に「口」が横に三つ

 山車は午後5時、市庁前を出発した。真夏日の暑さの中、神楽や虎舞、華屋台などに続き、各山車組から参加した子どもや大人約500人に引かれ中心街の目抜き通りを運行。途中で仕掛けがせり上がり、高さ約10メートル近くに達すると、観客から大きな拍手が起こった。同市の留目美帆さん(26)は「中心街で食事だけする予定が、お囃子(はやし)が聞こえたので急に見たくなった。山車は例年より小さいが迫力がある」と話した。

 祭本部によると、同日の代替行事の人出は7万1千人だった。

 三社大祭は国重要無形民俗文化財で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の一つ。1日は神明宮で神輿(みこし)渡御休止奉告祭、市庁前広場で置山車展示とお囃子・郷土芸能披露が行われる。会期は4日までの5日間。

八戸三社大祭の代替行事として行われた共同制作山車の運行=31日午後6時半ごろ、八戸市中心街

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