八戸市美術館リニューアル半年 多彩な企画

八戸市美術館のジャイアントルームで行われた「アーティストトーク」で、ガラス造形の工程を説明する石橋さん(左)=4月24日

 八戸市美術館が3日、昨年11月のリニューアルオープンから半年を迎えた。開館当初は入館者数が順調に推移したが、1月以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で伸び悩み、4月末現在の入館者数は累計約2万8千人。「美術館は敷居が高い」という市民らの声もあるため、開催中の企画展に連動した参加型のイベントや、館内の巨大空間「ジャイアントルーム」を活用したイベントで気軽に入館できるイメージを定着させ、誘客につなげる。

 大型連休中の1日午後。館内でボードゲームを楽しむ親子や談笑する女性たちの姿があった。「ジャイアントルームは無料で入館可能。Wi-Fiが使えて飲食もできる自由な空間だが、あまり知られていない」と高森大輔副館長。同ルームでは大型連休に合わせ、8日までジオラマ制作や「ラクガキでつくる迷路」づくり体験、音楽ライブなど、親子で楽しめるイベントが行われる。

 同館は昨年11月3日に開館し、八戸三社大祭を切り口とした開館記念展「ギフト、ギフト、」も同日に開幕。開館40日目となる12月12日時点の入館者数は約1万4500人と、コロナ禍前に設定した目標の年間9万人を上回るペースだった。しかし1月以降、感染拡大の影響で客足が落ち込み、2月2~20日は感染拡大防止のため「ギフト-」の観覧者のみ予約制で人数を制限して受け入れた。同20日時点の入館者数は2万1464人で、「ギフト-」の観覧者数は1万3089人。

 3月19日から開催中の企画展「持続するモノガタリ」では、企画展担当学芸員が常駐するブースを設け、観覧者が展示品に関する疑問や感想を直接または手書きのメッセージでやりとりできる場を設定。毎週木曜日夕方、観覧者が自由に作品について語り合う鑑賞クラブ「木夕」、地元の芸術家が自身の作品について語る「アーティストトーク」も初めて企画した。

 先月、館内でアーティストトークを行った同市のガラス造形家石橋忠三郎さんは「ここ(美術館)で生まれた人のつながりが枝分かれし、広がっていくことを期待している」と述べた。トークを聴講した同市の鳴海和子さん(60)は同館に対し「市民が見たいと思える展覧会や企画を考えてほしい」と要望。一方で「市民も美術館を育てていく姿勢が大切」と語った。

 6月には同館前広場にキッチンカーが出店し、ジャイアントルームで音楽ライブなどのステージ発表を行う「ジャイアント食堂」を企画している同館。佐藤慎也館長は「少しずつ地域に根差した活動を始め、多くの人に足を運んでもらえるような企画に取り組みたい」と語った。

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